Risk of retinal detachment after catract extraction, 1980-2004. A population-based study.
Erie JC et al(MI USA)
Ophthalmology 113(11): 2026-32, 2006
・1980-2004までの 7137名 10,256眼の白内障術眼について検討。
・1、5、10、15、20年後の網膜剥離頻度は 0.27%, 0.71%, 1.23%, 1.58%, 1.79%であり、嚢外とPEとの間には有意差はなかった。
・20年後の網膜剥離発症頻度は、非手術眼に比して4倍(95% CI=2.6-5.4, p<0.001)であった。
Intravitreal Bevacizumab (Avastin) in the treatment of proliferative diabetic retinopathy.
Avert RL(CA USA)
Ophthalmology 113(10): 1695-705, 2006
・糖尿病による網膜 and/or 虹彩新生血管のある32例45眼に硝子体内にavastin(6.2μg-1.25mg)を注入。
・注入1週間後にFAでの新生血管からの漏出は全例で完全にあるいは、部分的に減少。
・視神経乳頭の新生血管からの漏出は19/26(73%)で完全に消滅。
・虹彩新生血管の漏出は 9/11(82%)は完全に漏出停止。
・漏出の消退は注入24時間後に起こっていた。
・2例では、注入していない他眼の網膜or虹彩新生血管からの漏出減少がみられ、全身的な薬物レベルが治療域に入っている可能性が示唆された。
・1例では2週間後に漏出の再燃があったが、それ以外は少なくとも11週間後にも漏出の再燃はなかった。
・また、使用した最小量(6.2μg)でも効果があり、1.25mgの硝子体内注入で、他眼にも影響があったことから、全身的な副作用の出る可能性は十分にあると考えられる
A pilot study of multiple intravitreal injections of ranibizumab in patients with center-involving clinically significant diabetic macular edema.
Chun DW et al(MA USA)
Ophthalmology 113(10): 1706-12, 2006
・10例10眼の糖尿病黄斑症(視力は 20/63~20/400)にranibizumb(0.3mgを5例、0.5mgを5例)を3回注入(1ヵ月後、2ヶ月後に追加)し、24ヶ月経過観察。
・3ヵ月後、中心網膜厚は0.3mg群では45.3±196.3μm、0.5mg群では197.8±85.9μm減少した。
Intraocular pressure changes and ocular biometry during Sirsasana (headstand position) in Yoga practitioners.
Baskaran M et al(India)
Ophthalmology 113(8): 1327-32, 2006
・Sirsasana(ヨガでの倒立姿勢)中の眼圧変動を熟練したヨガ行者75人で測定
・年齢 48.9±13.7歳、座位眼圧 14.2±2.9(7-24)mmHg)
・倒立前、倒立中、倒立後にTonopenで眼圧測定
・倒立直後の眼圧は 29.3±4.4(18-41)mmHg、上昇は 15.1±3.5(8-23)mmHg
5分後の眼圧は 30.1±4.8(21-44)mmHg、上昇は 15.8±4.6(6-33)mmHg
座位に戻った直後の眼圧は 17.5±4.1(10-32)mmHg
Open-angle glaucoma and cardiovascular mortality: The Blue Mountains Eye Study.
Lee AJ et al(Australia)
Ophthalmology 113(7):1069-76,2006
・OAGと9年間の死亡率との関連をみた。
・49歳から97歳の3,654名(Sydney西のBlue Mountains住民の82.4%)で検討。
・基準時(1992-1994)に、視野異常と視神経乳頭所見が一致したものを緑内障と診断し、彼らの死亡を、Australian National Death Index dataの死亡者、死亡原因と比較した
・年齢、性、DM、高血圧、心疾患、心拍、内服ベータブロッカー、喫煙歴、飲酒、近視、核白内障などが検討された
・基準時に緑内障と診断された人は108名(3.0%)。
・2002年1月までに死亡した873名(23.9%)のうち、312名(8.5%)が心血管死であった
・全原因の死亡率は緑内障者は24.3%で、非緑内障者は23.8%であったが、心血管死は緑内障者は14.6%で、非緑内障者は8.4%であった。
・調整後の緑内障者の心血管死は RR(Relative risk)= 1.46 (95%CI= 0.95-2.23)で有意差はなかった。
・75歳未満では、緑内障者の心血管死は RR= 2.78 (95%CI= 1.20-6.47)で高かった。75歳以上では RR= 1.22(95%CI= 0.74-2.01)
・新規にOAGと診断された人(53名)の心血管死は RR=0.94(95%CI= 0.44-2.02)であったが、以前にOAGと診断されていた人(55名)の心血管死は RR=1.85 (95%CI= 1.12-3.04)で、殊にチモロール点眼薬で治療を受けていた人では RR= 2.14 (95%CI= 1.18-3.89)で高かった
Fourth-generation fluoroquinolone penetration into the aqueous humor in humans.
McCulley JP et al(USA)
Ophthalmology 113(6): 955-9, 2006
・第4世代フルオロキノロンとして、0.5%moxifloxacin点眼、0.3%gatifloxacin点眼の眼内移行を他のフルオロキノロンの文献結果と比較した。
・手術1日前に4回、手術1時間前に1回点眼し、手術時に前房濃度を測定。
・この2種類の第4世代フルオロキノロン剤は、前世代のものより有意に前房濃度が高かった。
・moxifloxacin(1.86±1.06μg/ml)はgatifloxacin(0.94±0.72μg/ml)の倍の前房濃度があり、両者間にも有意差があった
Effects of Corneal Drying on Optical Coherence Tomography.
Stein DM et al(USA)
Ophthalmol 113(6): 985-91,2006
・OCTの角膜の乾燥による測定値(黄斑部))への影響
・1回目は通常に撮り、2回目からは上眼瞼をテーピングして、20秒ごとに6~8回撮影、テープをはずし、瞬目を自由にさせ1,2,4分ごとに撮影
・signal to noise ratio , signal strength , NFL は開瞼時に減少し、NFLは開瞼15秒で減少し、始めの値に戻るのに4分かかった
Treatment of Anisometropic Amblyopia in Children with Reftactive Correction.
Pediatric Eye Disease Investigation Group(USA)
Ophthalmol 113(6): 895-903,2006
・不同視性弱視を屈折矯正のみで治療可能かどうか
・3歳から7歳の84例のAA(内、近視性は4例)視力20/40から20/250まで
・眼鏡処方後、視力が安定、あるいは弱視が治癒するまで5週ごとに検査
・77%で2段階以上の改善、27%で治癒 安定まで30週以内
・治癒は視力20/100以上の者にみられた
A Randomized Trial to Evaluate 2 Hours of Daily Patching for Strabismic and Anisometropic Amblyopia in Children.
Pediatric Eye Disease Investigation Group(USA)
Ophthalmol 113(6): 904-12, 2006
・斜視弱視、不同視性弱視(共に屈折矯正された後に参加)に対して、2時間の遮蔽(+1時間の近見作業)と屈折矯正のみの治療効果
・3歳から7歳180例の視力20/40から20/400までのSA,AA(前論文の一部症例を含む)
・5週目 P:1.1line、S:0.5lineの改善、最高の改善P:2.2、S:1.3
24-hours intraocular pressure control with maximum medical therapy compared with surgery in patients with advanced open-angle glaucoma.
Kanstas AGP et al(Greece)
Ophthalmology 113(5): 761-5, 2006
・中等度から重度の開放隅角緑内障患者で、線維柱帯切除術と最大限のmedical治療と、24時間眼圧のコントロールはどちらがいいか検討した。
・30眼の初回手術で成功した患者と、30眼の2-4種の薬剤でコントロールできている患者で検討。両群とも平均年齢は67.9歳
・両群の平均眼圧を10amが 12.8mmHgになるようにマッチさせて患者選択をした
・眼圧測定は6am, 10am, 2pm, 6pm, 10pm, 2am
・眼圧の日内平均値の平均:手術群12.1±2.2、薬剤群13.5±2.0mmHg(p<0.0001)
・最高眼圧の平均:手術群13.4±2.3、薬剤群16.3±2.3mmHg(p<0.0001)
・日内変動の平均:手術群2.3±0.8、薬剤群4.8±2.3mmHg(p<0.0001)
・10amを除いて、全ての時間で手術群の方が、眼圧が低かった
・最高眼圧が18mmHgを超えたのは、薬剤群の11例37%、手術群は0%
・この11例のうち、10例はその眼圧最高値は、診療時間外であった
・よく機能している線維柱帯切除術は、平均眼圧、最高眼圧、24時間の眼圧幅ともに、薬剤治療よりも有意に低かった
Tolerability and efficacy of multiple escalating doses of Ranibizumab(Lucentis) for neovascular age-related macular degeneration.
Rosenfeld PJ et al(FL USA)
Ophthalmology 113(4):623-32,2006
Ranibizumab(Lucentis)はAMDに有用
・抗VEGF抗体から作られた Ranibizumabを最大 2mgまで硝子体内に注入した。
・対象は視力 20/40-20/640の中心窩下脈絡膜新生血管のあるAMD眼。
・2-4週間隔でRanibizumabを5,7,9回硝子体内注入した(total 0.3-2.0mg)
・29人で開始し、27人が140日間のstudyを終了した
・最も多い合併症は虹彩毛様体炎(83%)と注射部位の反応性充血(72%)。
・炎症は注射回数に比例せず、注射量に比例。軽度の眼圧上昇は頻発。
・平均視力は上昇したが、3例では視力低下。病巣の進展はみられなかった
・複数回の硝子体内注入(0.3-2.0mg)は十分に耐えられ、20週間にわたって活性があった
Posterior sub-tenon’s capsule injection of triamcinolone aetonide prevents panretinal photocoagulation-induced visual dysfunction in patients with severe diabetic retinopathy and good vision.
Shimura M et al(東北大)
Ophthalmology 113(3):381-7,2006
・10例20眼の非増殖性、増殖性初期の糖尿病網膜症で、視力20/40以上。
・網膜症に左右差なく、傍中心窩網膜厚みが300μm↑でPRP後に悪化しそうな眼を選択
・PRP1週間前に、1眼のみ20mgTAをテノン嚢下注入。他眼はコントロールとした。
・汎光凝固は1/2Wで4回施行。
・logMAR最良矯正視力(BCVA)、中心窩厚み(FT)をPRP開始後24週間経過観察
・TA注入前のBCVA、FT、傍中心窩厚み(PFT)は、
注入眼では 0.055±0.072(視力0.88)、235.5±37.5μm、388.4±41.8μm、非注入眼は 0.065±0.071(視力0.86)、233.7±39.8μm、388.0±43.3μm
・24週後 注入眼では、0.085±0.11(視力0.82)、235.3±38.6μm、302.2±16.1μm、非注入眼は、0.24 ±0.13(視力0.58)、312.0±68.2μm、394.4±35.8μm
・TAの1回注入後、FTは注入眼で有意に減少し、コントロール眼では非常に増加した
Alcohol delamination of the corneal epithelium: an alternative in the management of recurrent corneal erosions.
Dua HS et al(UK)
Ophthalmology 113(3):404-11,2006
・RCEで、通常の方法では軽快しなかった12例で施行
・Optical Zone markerを使用して、20%アルコールを40秒間作用し、上皮を円シートとして剥離除去した
・平均23.5ヵ月経過観察
・11例で著効(6-40ヵ月)。8例は無症状。1例は施行1ヵ月で2回の軽度の再発
Angle closure in highly myopic eyes.
Barkana Y et al(NY USA)
Ophthalmology 113(2):247-54,2006
・狭隅角緑内障と高度近視が合併する率は低い。
・患者database fileから、-6D以上の近視で狭隅角を合併しているものを検索
・17,938名中、20名(男9、女11)であった。年齢52.9±19.3
・原発性瞳孔閉鎖9例、円錐角膜1例、未熟児網膜症に合併した瞳孔膜に続発1例、Plateau Iris3例、Weill-Marchesani症侯群による水晶体形に続発2例、強膜内嵌に続発した悪性緑内障2例、縮瞳により誘発1例、Marfan症侯群1例
Analysis of the retinal nerve fiber layer after indocyanine green-assisted vitrectomy for idiopathic macular holes.
Yamashita T et al(鹿児島大)
Ophthalmology 113(2):280-4,2006
・32例34眼の特発性黄斑円孔手術で、術後の視野欠損とRNFL損傷の関連を検討
・ICG使用で視野欠損発症(G1:11眼)、ICG使用で視野欠損ない群(G2:9眼)、ICG使用せず視野欠損ない群(G3:14眼)で、OCTの視神経乳頭周囲の4分割面で検討
・G1の上鼻下の3象限では、G2、G3の同部位よりRNFL厚みは有意に薄かった(p<0.01)
・耳側象限では、G1とG3では有意差あったが(p=0.02)、G1とG2では有意差なかった
・G1では、非術眼に比較すると、術眼では3象限で有意に薄くなっていた(P<0.05)
・ICGを使用した術後の視野欠損は、ICG使用に関連したRNFL障害に関連しているだろう
Anecortave acetate(15mgs) vesus photodynamic therapy for treatment of subfoveal neovascularization in age-related macular degeneration.
Slakter JS et al(NY USA)
Ophthalmology 113(1):3-13,2006
・anecortave acetate(Alcon Research Ltd)
・cortisol構造から作られたもので、血管増殖を抑え、また、glucocorticoid受容体を介した働きがないものである
・530名のARMD:predominantly classic 中心窩下脈絡膜新生血管をランダムに2群に分割
・anecortave acetate群:テノン嚢下の後極部の強膜に沿って、study開始時と、6ヵ月後に15mgを注入。最初の注入前、3ヵ月おきに、この群は偽のPDT治療を受けた(double blindの為)
・PDT群:必要であれば、3ヵ月間隔に最高4回まで PDT治療を行なった。最初の注入前と6ヵ月目に、この群は偽のPDT治療を受けた(double blindの為)
・anecortave acetateの periocular posterior juxtascleral depot(PJD)の手順で、逆流のなかったものは、PDTとほぼ同等、あるいはそれ以上の効果が見込めるだろう
・anecortave acetateは、薬自体、あるいは PJD手技によるリスクを越える利点があった
Verteporfin Therapy Combined with Intravitreal Triamcinolone in All Types of Choroidal Neovascularization due to Age-Related Macular Degeneration
Augustin AJ et al(Germany)
Ophthalmology 113(1): 14-22, 2006
・184例のARMD(各タイプ)に対し、PDTの16時間後にTA25mg硝子体注
・平均1.21回の治療で平均1.22(Snellen line)改善
・46例(25%)で眼圧の上昇があり、2例で手術
Changes in retinal neovascularization after Pegaptanib(Macugen) therapy in diabetic individuals.
Macugen Diabetic Retinopathy Study Group
Ophthalmology 113(1):23-8,2006
・Pegaptanib sodium(Macugen, Eyetech Pharmaceuticals Inc & Pfizer Inc)
・矯正視力 20/50 – 20/320
・偽の注射群、硝子体内への pegaptanib(0.3mg, 1mg, 3mg)注射群
・開始時、6週後、12週後と、その後の18週まで最高6回までの治療。局所光凝固も可
・16眼の網膜新生血管者を36週目に検討。8/13(pegaptanib治療群)、0/3(偽治療群)、0/4(経過観察群)で新生血管退縮
・8例の退縮群の内、3例は、pegaptanib中止の52週目に新生血管増殖が始まった
Ciliary body edema after scleral buckling surgery for rhegmatogenous retinal detachment.
Kawana K et al(筑波大)
Ophthalmology 113(1):36-41,2006
・毛様体厚み、前房深度を44例46眼の術前後(3,7,14,28日後)で測定した。
・毛様体厚みは 3,7,14日後には有意に厚かった(p<0.0001)。3日後に最高。
・輪状締結群では部分内嵌群よりも 3,7日目には有意に厚かった(p<0.001)
・部分内嵌の場合、内嵌した方向が反対方向より3日目には有意に厚かった(p00.0079)
・輪状締結群では、前房深度は3日目に有意に浅かった(p=0.018)。
・部分内嵌群では、有意差はでなかった
・臨床的な脈絡膜剥離や浅前房がなくても、subclinical毛様体浮腫は少なくとも手術後1ヵ月までは全例で存在し、輪状締結群では部分内嵌群よりも浮腫が強かった
Attachment of Acanthamoeba to first- and second-generation silicone hydrogel contact lenses.
Beattie TK et al(UK)
Ophthalmology 113(1):117-25,2006
・1st-generation silicon hydrogel:Focus Night & Day
2nd-generation silicon hydrogel:Acuvue Advance
conventional hydrogel lens:Acuvue(J & J)
・未使用、使用中(7日間使用で7日目に提供)、緑膿菌biofilm coatedの3種類
・90分間、acanthamoeba castellanii trophozoites の培養液中で培養する
・1st-genには、2nd-gen、conventionalよりも有意に acanthamoebaが接着(p<0.001)
・使用済み、biofilm coatedのものは、1st-genでは接着に差はなかった(p=0.426)。2nd-genでは(p<0.001)、conventionalでは(p=0.009)の有意で接着しやすい
・ただ、使用済み、biofilm coatedの2nd-gen、conventionalでも、1st-genよりは有意に接着が少なかった(p<0.001)