Oral fluoroquinolones and the risk of retinal detachment.
Etminan M et al-J
J Amer Med Association 307(13): 1414-1419, 2012
・2000/1~2007/12の間に網膜剥離で手術を受けた4,384例についてフルオロキノロン内服FLXの既往(シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシンなど)について調べた。
・動物実験ではFLXが網膜の変性を引き起こすことが示されており、コラーゲンと結合組織を破壊する作用を持つことから、ヒトにおいても網膜剥離を誘発する可能性が考えられていた。
・使用していた患者は445人で、最も多く処方されていたのはシプロフロキサシンだった(82.7%)。
・続いてレボフロキサシン(7.2%)、ノルフロキサシン(4.9%)、モキシフロキサシン(4.0%)、ガチフロキサシン(1.1%)。
・445人のうち、現在使用者は145人、最近の使用者(1-7日前までの内服者)は12人、過去の使用者(8-365日前までの内服者)は288人。
・RD発生者に占めるFLX現在使用中の人の割合は3.3%(コントロールでは0.6%)で調整発生率ARRは4.5倍(95%CI=3.56-5.70)であった。
・FLXの初回処方から初回の網膜剥離までの日数の平均は4.8日だった。
・最近の使用者では0.3%(コントロール=0.2%)、ARRは1.03(0.89-1.19)、過去の使用者では6.6%(コントロール=6.1%)、ARRは1.03(0.89-1.19)と関連はなかった。
・また、βラクタム抗生剤(ARR=0.74 0.35-1.57)、短時間作用型β刺激薬(ARR=0.95 0.68-1.33)などでも関連はみられなかった。
・経口FLXを使用中の患者では、絶対リスクは低いものの、網膜剥離リスクが有意に上昇していた。(TY)