Muller cells separete between wavelenghs to improve day vision with minimual effect upon night vision.
Labin AM, Safuri SK, Ribak EN, Perlman I
Nat Commun 5: 4319-4328, 2014 (日本の眼科85(9):1292,2014 )
・分光器としてのミュラー細胞の驚くべき機能の発見(日本の眼科85(9):1292,2014 吉田武史(東京医歯大)
・ミュラー細胞は網膜のほぼ全域に分布し,支柱のようにカバーしている
・ミュラー細胞は内境界膜側に広がる漏斗型をしており,その反対側では視細胞の錐体細胞と接している
・さらには錐体細胞の周りに取り囲むように存在する15個程度の桿体細胞にも接している。
・ヒト剖検眼から採取した傍黄斑部網膜,昼行性であるギニアピッグから採取した網膜を用いて実験
・ミュラー細胞が光路として視細胞に特殊な働きをするのではないかと考えた
・内境界膜側に漏斗型に開いているミュラー細胞に光を投影
・視細胞へと光を伝達する様子を光の波長を変えて観察:緑黄(560nm)と青(430nm)の二つの波長光
・網膜前面に投影された緑黄の波長光はミュラー細胞の漏斗状の形状に応じて約11倍まで集光された後、錐体細胞へと運ばれていた
・ミュラー細胞により伝達される光の波長の特性について調べたところ560nmにピークをもち,L-coneの視物質の吸収スペクトルとほぼオーバーラップし,M-coneとも近いスペクトルを示した。
・青の波長光については視細胞に到達するまでの間にミュラー細胞から周囲に散乱
・錐体細胞を取り囲む桿体細胞らに約半分の青色光が分配されていることが明らかになった
・日中の視機能に重要な赤から緑の波長光をミュラー細胞が効率よく集光し錐体細胞に当て視機能を高めていること。
・錐体細胞を取り巻く桿体細胞には夜間色として最も一般的な青から紫の波長光をミュラー細胞がある程度割り当てている
・光が弱く桿体細胞が重要な役割を果たす夜間にも,昼間の視機能を損なうことなく対応できるメカニズムになっている
・特殊な形状からミュラー細胞が波長に応じた光の分配機能を有するだろう(TY)