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その他のジャーナル

2016
60巻

レクトミー後の持続低眼圧

その他のジャーナル 60巻(7号)2016

Persistent hypotony after trabeculectomy: incidence and associated factors in the Collaborative Bleb-Related Infection Incidence and Treatment Study
T Higashide et al (Japan)
Jpn J Ophthalmol 60(7/8) :309-318, 2016
レクトミー後の持続性低眼圧の発生率とその要因をCollaborative Bleb-Related Infection Incidence and Treatment Study (CBIITS)のデータから解析
CBIITS:MMC併用レクトミー後の濾過胞関連合併症の解析のため集められた多施設共同研究 2007.3.31までの2年間に登録された経過観察1-5年のデータ
34施設1249例1249眼に行われたあらゆる濾過手術のうち、MMC併用Trabeculectomy(白内障同時手術を含む)1098例1098眼を解析対象とした
持続低眼圧は5mmHg以下が6か月以上持続
不成功の定義:眼圧下降不十分(IOP>21mmHg、ベースラインから2回連続で<20%IOP、追加手術)、光覚喪失、持続低眼圧
LSLやニードリングは追加手術とはカウントせず
1098眼中138眼はデータ不完全、2眼はベースラインで光覚喪失、3眼は不完全な視力データ
955眼を調査対象とした
Limbal-base:550眼(57.6%)、白内障同時手術163眼(17.1%)、5年経過を終えたのは75.0%であった
術後平均眼圧は12mmHgで安定
全体の成功率は622/955眼(65.1%)、
270眼(28.3%)の眼圧下降不足のうち96眼(35.6%)で追加手術、28眼(10.8%)は眼圧21mmHgを超え、146眼(54.1%)は眼圧下降率が20%未満であった
27眼(2.8%)で光覚喪失し、そのうち8眼は純粋に光覚喪失のみで不成功
66眼(6.9%)で持続低眼圧、そのうち52眼では純粋に低眼圧のみで不成功であった
5年生存率は62.0±1.7%で、持続低眼圧を除くと68.0±1.6%であった
眼圧下降が不十分だが低眼圧となった症例が11例あり、うち6例は追加手術後に低眼圧となり、5眼は元の眼圧が8-16mmHgと低く、20%下降が得られなかった
眼圧下降十分な685眼で持続低眼圧となった55眼の1,3,5年での発生率はそれぞれ2.9±0.6%、6.1±0.9%、9.1±1.2%で、平均24か月後に生じた。 そのうち3眼は持続する低眼圧黄斑症を生じた
6/55眼では、フラップの縫合(2眼)、compression suture(1眼)、血清注射(1眼)、結膜被覆(1眼)、強膜穿刺(1眼)の処置を行った
逆に19眼(35%)でその後6mmHg以上の眼圧上昇があった
術後経過観察期間は低眼圧群のほうが有意に長かった
3例で術後46-49か月後に濾過胞感染を生じ、全例持続低眼圧であった
持続低眼圧をきたす要因としては、術前の低眼圧(1mmHg低いとリスクが5%増加)、Limbal-base incision、術後6か月以内にCDを生じたものであった  (MM)

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