Nicotinic Acid Treatment for Retinal Vein Occlusion
Majid Abrishami et al. (MD USA)
Patient Saf Qual Improv, Vol. 2, No. 1, Win 2014,37-43
目的:網膜静脈閉塞症に対するニコチン酸(ビタミンB3)の効果を評価する。
対象と方法:CRVO 又は BRVOの患者20人21眼
虚血性CRVO 14人、非虚血性CRVO 5人、両眼BRVO 1人
5人が高血圧、1人は糖尿病だった。
ニコチン酸を1日3回100mgずつから始まり、1週毎に300mgずつ増やして1日3回1000mgまで増やし、トータル
12週間続けた。
よくある副作用である顔面紅潮を抑えるために最初の1ヶ月はアスピリン1日100mgを服用した。
発症から治療開始までの平均期間 59.69 ± 71.60 days (range 10- 240 days)
結果:4人が脱落し、2人が過敏反応と高血糖で脱落したため、15人16眼、平均年齢59.56 ± 11.12歳、
経過観察期間8.6 ± 2.7ヶ月。
視力 治療前 1.56 ± 0.66、治療1ヶ月後 1.38 ± 0.72 (p>0.05)、治療3ヶ月後0.88 ± 0.69 (p<0.01)、
最終視力0.97 ± 0.73 (p<0.01)
最終視力で8眼が治療前の視力を維持し、他は有意に改善していた。
虚血性CRVO 4眼(50%)、非虚血性CRVO 2眼(40%)が3 line以上改善した。
20/200より視力が悪い患者は68.7%から31.2%に減少した。
治療3ヶ月後、全ての患者で出血範囲、CWS、黄斑と視神経乳頭浮腫の減少、静脈の拡張を認めた。
ハンフリーMD値は治療前 – 29 ± 9、治療後3ヶ月 -24±7(p<0.01)、最終 -28±9 (p <0.05)だった。
副作用は、皮膚紅潮、蕁麻疹、糖尿病悪化(空腹時血糖値93mg/dl→102 mg/dl)を認めたが、いずれも軽症だった。
結果:ニコチン酸により血管拡張を誘発し、側副血管の発達に十分な時間を提供する。副作用はあるが軽かった。(CH)