Evaluation of factors affecting visual acuity after Descemet stripping automated endothelial keratoplasty
Shiro Amano, et al. (井上眼科)
Jpn J Ophthalmol 61(2):137-141,2017
目的:DSAEK後の視力に影響する因子を重回帰分析で評価した。
対象と方法:2010年から2015年にDSAEKを受け、少なくとも6ヶ月以上経過観察できた49人54眼、平均年齢72.5 ± 8.7歳。DSAEKとなった原因疾患は白内障術後8眼、LI後20眼、フックス角膜内皮変性症13眼。角膜内皮炎3眼、PE 6眼。外傷2眼、不明2眼。
ドナー角膜ECD 2723 ± 321 cells/mm2 、ドナー角膜厚148 ± 19.1 μm。
ストリッピングあり 21眼、なし33眼。
結果:視力 術前1.03 ± 0.49 logMAR, 術後1ヶ月0.42 ± 0.26 logMAR, 術後3ヶ月0.29 ± 0.21 logMAR,
術後6ヶ月0.24 ± 0.20 logMAR, 術後12ヶ月0.22 ± 0.20 logMARと、術後3ヶ月で安定した。
ECD 術前2723 ± 321 cells/mm2, 術後1ヶ月2164 ± 357 cells/mm2, 術後3ヶ月1982 ± 556 cells/mm2, 術後6ヶ月1901 ± 569 cells/mm2, 術後12ヶ月1773 ± 592 cells/mm2で、術後1年での損失率は33.9%だった。
重回帰分析の結果、術前視力だけが術後の視力と関連していた。その他、年齢、性別、術前の要因(角膜浮腫の程度、ドナーECD、グラフト厚)、術後眼圧などは関連なかった。
結論:DSAEK前のより良い視力が、術後の良い視力と関連していた。そのため角膜上皮下の線維増殖変化のようなことがおこる前、早めにDSAEKを考慮した方が良い。(CH)