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その他のジャーナル

2017
30巻

全層角膜移植術と角膜内皮移植術の術後5年成績の比較

その他のジャーナル 30巻(3号)2017

小野喬叫 他 (宮田眼科病院)
眼科手術30 (3): 497-500. 2017
目的:水泡性角膜症に対する全層角膜移植術(PKP)と角膜内皮移植術(DSAEK)の長期成績を検討する。海外の文献だとフックス角膜内皮変性症の症例が多いので、違いが出るかもしれない為。
対象と方法: 1998年4月-2014年4月に水泡性角膜症に対してPKPを行った症例と、 2007年8月-2015年1月にDSAEKを行った症例を対象とした。水抱性角膜症の原疾患、累積透明治癒率、角膜内皮細胞密度、術後合併症について検討した。
PKP群は125例139眼、DSAEK群は86例97眼。
PKP群は白内障術後、緑内障発作によるものが多く、 DSAEK群は閉塞隅角、 フックス角膜内皮変性症によるものが多かった。(表2)
結果:術後5年の累積透明治癒率はPKP群73%、DSAEK群89%でDSAEKのほうが有意に高かった(p = 0.040)。(図1)
術後5年ECDはPKP群が717土368 /mm2. DSAEK群が800土483 /mm2で(p=0.84)。(図2)
角膜内皮細胞密度減少率は、術後5年でPKP群74.0%. DSAEK群71.6%だった。
術後5年間で PKP群では拒絶反応がl2眼(8.6%)、移植片離開が9眼(6.5%)、感染症5眼(3.6%)に発生に認められた。
DSAEK群では拒絶反応が4眼(4.1%)、術後早期の移植片脱落が4限(4.1%)に認められた。術後の感染症は生じず、拒絶反応による移植片不全は認めなかった。
結論:水抱性角膜症に対してPKPよりもDSAEKは術後5年において良好な累積透明治癒率であった。その理由として、移植片不全、拒絶反応の割合がDSAEK群では少なかった事、また感染症を認めなかった事と考えられる。角膜内皮細胞密度はPKPとDSAEKで差がなかった.
海外の文献と比べ、累積透明治癒率は同等もしくはやや不良、角膜内皮細胞密度減少率は高いという結果だった。(CH)

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