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その他のジャーナル

2018
62巻

レーザー虹彩切開術(LI)によって引き起こされた水疱性角膜症(BK)に対する全層角膜移植術後(PK)の角膜内皮細胞減少率と移植片生存率

その他のジャーナル 62巻(5号)2018

Endothelial cell loss and graft survival after penetrating keratoplasty for laser iridotomy-induced bullous keratopathy
Naoki Okumura et al. (バプテスト眼科クリニック)
Japanese Journal of Ophthalmology (2018)(5) 62:438-442
目的:2000年3月から2011年12月の間にBKのためPKを受けた患者を、PK前のLIあり(LI-BK群)またはLIなし(非LI-BK群)の2群に分けて角膜内皮細胞減少率(ECD)と移植片生存率を比較検討した。
対象と方法:LI-BK群21眼(平均年齢60.4±9.2、白内障手術併用20眼、単独1眼)、非LI-BK群31眼(平均年齢60.5±12.0、白内障手術併用14眼、単独17眼)
両群間のドナー特性は類似していた。
結果:LI-BK群の平均ECD損失率は術後12ヶ月で25.6%から108ヶ月で85.6%に増加した。非LI-BK群の平均ECD損失は、術後12ヶ月で32.9%から108ヶ月で72.0%に増加した。
観察期間中、LI-BK患者の平均ECD損失率は非LI-BK患者より有意に高かった。 LI-BK群の21眼のいずれにおいても移植片不全は認められなかったが、非LI-BK群で25例中4例(16.0%)の移植片不全になった。(P=0.114)
結論:LIに続発するBKのPKの結果は、他のタイプのBKのPKの結果より悪くはなかった。しかし、PK後の長期経過観察では、LI-BK群ではLI-BK群よりも細胞密度が速く低下し、PKより前にLIの存在に細胞喪失が関与している可能性が示唆された。(CH)

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