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その他のジャーナル

2018
62巻

DSAEK術後の嚢胞様黄斑浮腫の治療のための非ステロイド性抗炎症点眼薬

その他のジャーナル 62巻(6号)2018

Topical non-steroidal anti-inflammatory drugs for the treatment of cystoid macular edema post Descemet’s stripping automated endothelial keratoplasty
Koji Kitazawa, et al. (京都府立医大)
Japanese Journal of Ophthalmology
2018 Nov;62(6):615-620. 
目的:DSAEK後の嚢胞様黄斑浮腫(CME)の治療における非ステロイド性抗炎症点眼薬(NSAID)の有効性を調査する。
対象と方法:DSAEKを受けた334眼。
DSAEK術後1ヶ月目に、CMEの有無をOCT検査により評価した。CMEを発症した症例では受診毎にOCT検査を行った。
DSAEK後は全症例に、0.3%ガチフロキサシン点眼および0.1%ベタメタゾン点眼剤を6ヶ月間、1日4回点眼した。
結果:術後のCMEは18眼(5.4%)(男性5眼、女性13眼)で認められた。平均年齢70.0±13.3歳。
17眼の患者が0.1% ブロムフェナク点眼薬で治療され、1眼が0.1% ネパフェナク点眼薬で治療された。
NSAID点眼による治療後、17眼(94.4%)の患者が3ヶ月以内にCMEから完全に回復した。
CMEから回復しなかった患者は、角膜内皮拒絶反応が術後早期に起こった症例であった。
術前平均BCVAは1.82 logMAR(20/1000)、術後12ヶ月平均BCVAは0.39 logMAR(20/50)に改善した。術後視力 20/200以上94.4%、20/40以上61.1%、20/50以上22.2%だった。
CME の有無にかかわらず、術後12ヶ月でVA 20/40以上に改善した患者の割合に差はなかった。(P = 0.95)
結論:NSAID点眼剤がDSAEK後のCMEの治療に効果的であることを示している。
NSAIDは時々角膜上皮の毒性をもたらし、持続的な上皮欠損をもたらすことが以前に報告されている。 DSAEK後の術後早期、角膜上皮が回復したとしても、長期のBKのために依然として脆弱である可能性がある。DSAEK後のCMEを予防するためにNSAID点眼薬を投与する場合は、角膜上皮損傷に注意を払う必要がある(CH)

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