眼科JOURNALトップ > その他のジャーナル > 34ゲージ短針を用いた硝子体内薬物注射の有効性と安全性

その他のジャーナル

2019
63巻

34ゲージ短針を用いた硝子体内薬物注射の有効性と安全性

その他のジャーナル 63巻(3号)2019

Efficacy and safety of intravitreal drug injections using a short 34-gauge needle
Hirofumi Sasajima, et al. (愛知医科大学)
Japanese Journal of Ophthalmology (2019)(3) 63:269-275
目的:以前に硝子体内注射のために使用する34ゲージ短針は30ゲージ針と比較して、患者の疼痛を有意に減少させ、注射後の逆流の発生率は同等であることを報告した。
今回はサンプルサイズを増やし、34ゲージ短針を使用した硝子体内投与の有効性と安全性を評価する。
対象と方法:AMD、DME、またはRVOを有する合計243人の連続した患者(平均年齢74.0±11.3歳;範囲、30〜98歳)、その内10人の患者が両眼治療を受けた。
ラニビズマブ0.05 mL(0.5 mg)またはアフリベルセプト0.05 mL(2 mg)のいずれかを投与した。
結果:243人に698回の注射を行った。平均経過観察期間は30.2 ± 15.9週。硝子体内注射の平均回数は2.7±1.8回(1〜9回)であった。平均視力は、ベースライン時0.43±0.4 logMARから最終受診時0.36±0.41 logMAR と有意に改善した(P<0.0001)。(図1) 平均網膜厚は、ベースライン時426.9±168.5μmから最終受診時297.6±121.1μmへと著しく減少した(P<0.0001)。平均眼圧はベースライン時での13.6±3.0mmHg、最終受診時12.9±3.1mmHgだった。
網膜裂傷は、0.14%(1/698眼)で発生した。持続的な眼圧上昇が1.29%(9/698眼)で起こった。平均持続期間は6.2±2.7週間(範囲、4.3〜12.9)。9眼のうち4眼が注射前に緑内障点眼剤で治療されていた。眼圧は比較的短期間(1.5〜3ヶ月)で目標範囲まで減少し、経過観察中に追加の緑内障点眼剤は必要なかった。(表3)
他の重篤な合併症は発生しなかった。
結論: 34ゲージ短針は市販されている道具で、従来の針と同じくらい効果的であり、硝子体内注射に関する合併症についての心配を減らすことができる。 (CH)

過去のアーカイブ