Risk Factors for Cystoid Macular Edema After Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty
Inoda Satoru, et al. (自治医科大学)
Cornea 2019(7);38:820-824
目的:アジア人でのDMEK後のCMEの発症の危険因子と発症率を調査した。
対象と方法:DMEKを受けた65人77眼、平均年齢72.4歳(範囲、48〜85歳)、53眼はDMEK + 6ヶ月前に白内障手術、24眼はDMEKのみを受けた。すべての患者はアジア人(日本人)。
中心網膜厚、CMEの発生率、術後の最高矯正視力、中心角膜厚、および角膜内皮細胞密度を、手術後1、3、および6ヶ月で評価した。
術後治療は1.5%レボフロキサシン点眼、ベタメタゾン点眼1日4回3か月間投与し、その後漸減した。
結果:77眼中12眼(15.6%)でCMEが発生した。すべてのCMEは1か月以内に発症した。単独DMEKグループのCME発生率は25%(24眼中6眼)、段階DMEKグループの発生率は11.3%(53眼中6眼)だった(P = 0.13)。病因とCMEの発生との間に関連はなかった(P = 0.72)。多変量解析により、DMEK前後の虹彩損傷スコアの差(P <0.001、オッズ比(OR)= 16)、前房内の空気量(P = 0.012、OR = 2.3×10-4)、単独DMEK (P = 0.020、OR = 14、CME (+)6眼(25%)、CME(-) 18眼(75%))、および空気再注入(P = 0.036、OR = 18、CME (+)4眼(31%)、CME(-)9眼(69%))はCMEの発生と有意に関連していた。今回の調査でのCMEの発生率は、以前に白人で報告された発生率よりも高かった(7%〜13.8%)。
BCVAは術前0.81±0.53 logMARから術後6か月で0.080±0.15 logMARに有意に改善した(P <0.001)。術後ECDは6ヵ月で1493±492cells/ mm2だった(6ヵ月でのECD損失率:44.6±17.1%)。
前房内空気再注入を必要とするグラフトの部分的な剥離は、手術後7日以内に13眼で認められたが、すべての眼で再注入した直後に完全に接着した。
結論:DMEK後CME発生率は15.6%で、虹彩損傷はCMEの発生の主要な危険因子だった。手術時は虹彩にできるだけ損傷を与えないようにする必要がある。診断として、DMEK後の6か月間はOCTを頻繁に使用することを勧める。(CH)