A Simple 60-Second Swelling Technique for More Consistent Ultrathin DSAEK Graft Preparation
Farbman, Neil H. et al. (CA,USA)
Cornea 2019(10);38:1209-1214
目的:極薄DSAEK(UT-DSAEK)は文献で定義されていないが、最も一般的には約100μm以下の移植片を指す。今までの手法では均一の極薄組織を作れるわけではなく、組織の損失や準備時間を増やし、組織処理にかなりの経済的コストがかかる可能性がある。
今回、単純だが新しい60秒間の膨張技術を使用することにより、移植片の品質を損なうことなく、安定してより薄い移植片を作れる事を実証する。
対象と方法:ML7 Microkeratome Donor Cornea System(Med-Logics Inc、Athens、TX)を使用した標準DSAEK移植片30眼と、角膜上皮の除去後の緩衝塩類溶液(BSS: Balanced Salt Solution)に角膜実質を60秒間浸した後ML7 Microkeratome Donor Cornea Systemでカットした移植片30眼。
結果: 膨張させた組織の平均移植片厚さは83.3μmで、標準移植片96.4μmよりも13.1μm薄かった。 100μm未満の移植片の割合は、標準移植片では63.3%、膨張移植片 では93.3%だった。角膜内皮細胞数は2つのグループ間に有意差はなかった。合併症は認められなかった。
結論:単純な60秒間の膨張技術により、内皮細胞数に大きな影響を与えることなく、安定した薄いDSAEK組織が得られる。(CH)