柴田真帆・豊川紀子・黒田真一郎(永田眼科)
眼科手術2019;32(4):587-592
・硝子体カッターによる周辺虹彩切除術(PI)の効果と安全性の検討
・2013-2017、永田眼科、原発閉塞隅角症における瞳孔ブロック解除目的、角膜サイドポートより25G硝子体カッターを挿入しPIを施行した42例42眼
・術前後の眼圧、前眼部OCT、内皮細胞密度について診療録から後ろ向きに検討
・平均年齢57.1±8.5歳、男性4例・女性20例、APAC 5眼・PAC 9眼・PACS 18眼
・APACは術後2年まで全ての期間で有意な眼圧下降
・PACの術後点眼数はすべての期間で有意な減少
・APACの術後点眼数は0
・前眼部OCT:隅角底の角度が術後有意に増加、前房深度・隅角底距離・両隅角底を結ぶ直線と水晶体前面との距離は術前後で有意差なし
・1年後の内皮減少率:1.5%
・硝子体カッターによるPIはレーザー虹彩切開術と同様の眼圧下降効果・前眼部形状変化・内皮減少率を認めた。本法は、将来の緑内障手術の障害となる結膜瘢痕を残さず、瞳孔ブロック解除に有効な術式と考えられた。(MK)