星野順紀, 松本英孝, 森本雅裕, 向井亮, 中村 介, 秋山英雄(群馬大)
日眼会誌2020:124(8) 628-636
【目的】
・網膜血管腫状増殖(RAP)に対する
アフリベルセプト硝子体内注射(IVA)によるtreat-and-extend(TAE)とラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるTAEの2年成績を比較
【対象と方法】
・IVA(15眼)またはIVR(18眼)によるTAEを2年間継続できた、未治療のRAP 33眼
・視力、中心窩網膜厚(CMT)、中心窩下脈絡膜厚(CCT)、色素上皮萎縮面積、治療回数、合併症を後ろ向きに評価
【結果】
・IVA群は15眼、IVR群は18眼、治療前データに両群間で有意差なし
・視力は、両群とも2年後まで有意な改善がみられたが、改善量に両群間で有意差みられず
・CMTとCCTは、両群とも2年後まで有意な減少がみられたが、減少量に両群間で有意差なし
・色素上皮萎縮面積は、両群とも2年後まで有意な拡大がみられたが、拡大面積に両群間で有意差なし
・2年間の治療回数は両群で同等
・両群とも重篤な眼局所および全身合併症みられず
【結論】
・RAPに対するIVAまたはIVRによるTAEは、視力・滲出性変化の改善に有効であったが、色素上皮萎縮面積は拡大した。
・薬剤間で2年間の治療成績に有意差はなかった。(MK)