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その他のジャーナル

2020
64巻

既存のドライアイがある場合とない場合の白内障手術の影響

その他のジャーナル 64巻(6号)2020

Effects of cataract surgery on symptoms and findings of dry eye in subjects with and without preexisting dry eye
Mikiko Shimabukuro, et al. (大阪大学)
Japanese Journal of Ophthalmology (2020)(6) 64:429-436
目的:白内障手術後のドライアイの有病率は8%〜70%で、顕微鏡の使用による光曝露、消毒剤の細胞毒性、角膜知覚の低下などの潜在的な原因因子がある。既存のドライアイがある場合とない場合の白内障手術後のドライアイの症状と所見を比較した。
対象と方法:白内障手術を受けた67眼。ドライアイの治療を受けている症例はなかった。
1週間、1か月、および3ヶ月の時点で、症状スコア、遠見矯正視力(CDVA)、涙液層崩壊時間(BUT)、涙液層ブレークアップパターン(BUP)、および眼表面フルオレセイン染色スコアを評価した。
結果:白内障手術を受けた67眼のうち、既存のドライアイがある症例(グループD)48眼、既存のドライアイなし(グループN)19眼だった。
CDVAは両方のグループで手術後に改善された(P <0.001)。
ドライアイ症状スコアは、グループDでは、自覚症状は手術前よりも術後3回のすべての受診時で有意に低かったが(P <0.001)、グループNでは変化は見られなかった。これは、術後のステロイド点眼薬と非ステロイド性抗炎症点眼薬(NSAID)の使用によりドライアイに伴う異物感と痛みを抑制されたためと考えられる。
BUTはN群では術後1か月で有意に短縮したが、グループDでは術前と比較して術後に有意な変化は見られなかった(P = .006)。
BUP分類は、術前は両群でランダムブレークパターンが多かった。(全体90%、グループD85%、グループN100%)術後、グループNには有意な変化はなかった(P =0.41 )。グループDでは術後1週間から3か月までスポットブレークパターンが大幅に増加した(0眼から6眼; P = 0.01)。
眼表面フルオレセイン染色スコアは、グループN(P = 0.01)の術後1か月で有意に増加したが、グループDでは有意な変化は見られなかった。
結論:70%が白内障手術を受ける前にドライアイを発症していたことがわかった。白内障手術は涙液膜の安定性と眼球表面に影響を与える。一部の患者では、ドライアイが存在していなくても、眼の表面の水濡れ性が一時的に不安定になった。(CH)

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