Impact of habitual swimming on the success of lacrimal surgery
Mimura M, Sato Y, Fujita Y, Oku H, Sato B, Ikeda T(大阪医大)
Japanese Journal of Ophthalmology 2021;65, 849–854
DOI https://doi.org/10.1007/s10384-021-00865-1
【目的】
水泳に関連する因子が水泳選手の涙道にどのような影響を与えるかを明らかにする
【方法】
・流涙が続く患者574例
・プールの利用状況(頻度、ゴーグルの着用、プールでの活動の種類(水泳と腰まで浸かった歩行など))について質問票で調査
・解剖学的な涙道閉塞を有する20歳以上のスイマー全員が外科的再建術を受けた
・多変量ロジスティック回帰分析により、術後12か月時点の手術成功率に関連する因子を検索
水泳の有無、プール使用頻度、プールの水への結膜接触量(ゴーグル使用の有無、腰より深く水に浸かるか)
【結果】
・解剖学的な涙道閉塞を有する患者のうち、6.4%が習慣的なスイマーであった
・鼻涙管閉塞は、非水泳者と比較してスイマーに多く見られた(89.1%/66.7%、P = 0.025)
・解剖学的な鼻涙管閉塞を有するスイマーの涙道手術の成功率(60.6%)は、非水泳者(83.3%)よりも低かった(P=0.048)
・ROC曲線を用いると、手術の失敗を予測するための頻度の閾値は4日/週
・高頻度スイマー(26.7%)では低頻度スイマー(88.9%)に比べ有意に手術成功率が低かった(P = 0.037)
・プールの水に対する眼表面接触の高低に統計的な差はみられず(71.4%/57.7%、P = 0.56)
【結論】
水泳の習慣がある人は、涙道障害のリスクが高く、涙液手術の成功率を低下させる。(MK)