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その他のジャーナル

2018
13巻

下方網膜剥離に対する、うつ伏せ体位を併用しない硝子体手術

その他のジャーナル 13巻(1号)2018

Vitrectomy without prone positioning for rhegmatogenous retinal detachments in eyes with inferior retinal breaks.
Shiraki N, Sakimoto S, Sakaguchi H, Nishida K, Nishida K, Kamei M(大阪大)
PLoS ONE 2018;13(1): e0191531. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0191531

【目的】
裂孔原性網膜剥離(RRD)に対する硝子体手術(PPV)の解剖学的および機能的成果を、術後腹臥位をとる群ととらない群の間で比較
【対象と方法】
・原発性RRD患者142人の142眼、レトロスペクティブ
・全例に20%SF6ガスタンポナーデによるPPVを行い、術後に腹臥位を維持した群(65眼)と維持しなかった群(77眼)の2群に分け3か月以上追跡調査
【結果】
・初回復位率:
腹臥位を維持した群83.1%、
体位フリー群96.1%、有意差あり(p=0.011)
・下方に裂孔のある眼では、
体位フリー群の初回復位率は94.7%(18眼)で,
腹臥位を維持する場合の60%(6眼)より有意(p=0.036)に良好
・下方に裂孔がない眼では、
両群間で初回復位率に有意差なし
・術後3か月目の最高矯正視力は両群間に有意差なし
・腹臥位をとらない群では術後10眼(13.0%)に網膜上膜(ERM)を認めたが、内境界膜(ILM)を剥離した眼では術後にERMを認めず
【結論】
術後に腹臥位をとらないPPVは、RRD、特に下方網膜裂孔の眼の復位率が高くなることと関連する。術後に仰臥位および側臥位をとるPPVは、術中にILM剥離を行った場合、下方網膜裂孔を伴うRRDの管理に有効である可能性がある。(MK)

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