充血、視力低下をCOVID-19ワクチン接種による副反応と考え、眼科受診が遅れた閉塞隅角緑内障の1例
武藤哲也 ら ,眼科臨床紀要 16(1), 9-12: 2023
・70歳女性 COVID-19の2回目のワクチン接種 6時間後から左眼の充血と左眼周囲の腫脹を生じた。その後、徐々に左眼の視力低下も自覚したが、ワクチン接種の副反応を考え様子を見ていた。吐き気や悪心などはなし。1週間経過しても不変のため近医眼科を受診し、左眼の緑内障発作が疑われて獨協医大埼玉医療センターへ紹介 前医視力 左光覚弁
・手術を行い眼圧下降したが、ワクチン副反応と自己判断して受診を控えてしまったため、不可逆的な視機能低下をきたした。
・接種後の副反応として下記報告
・Gabkaら:接種後に両眼の網膜に黒いシミ状の変化を生じ、チラチラする暗点を生じた症例報告
・Saracenoら:接種4日後に原田病を発症
・Papasavvasら:6年間沈静化していた原田病が2回目ワクチン接種後に炎症再発
・稲見ら:接種後CRAO
・Pawarら:若年成人に発症した視神経炎、垂直注視麻痺、外転神経麻痺
・これらはワクチン接種後に偶発的に生じただけなのか、接種に起因して発症したかは不明(MM)