ONSET-1 Phase 2b Randomized Trial to Evaluate the Safety and Efficacy of OC-01 (VareniclineSolution) Nasal Spray on Signs and Symptoms of Dry Eye Disease
David Wirta, et al, (US NJ)
Cornea 41(10): 1207-1216, October 2022.
・目的:ドライアイ疾患の徴候と症状に対する、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト点鼻スプレーである OC-01 (バレニクリン溶液) の安全性と有効性を評価する。
・対象と方法:医師がドライアイ疾患と診断しており以前に人工涙液を使用していた患者182人(平均年齢65.5歳)を無作為にコントロール、OC-01 0.006 mg、 OC-01 0.03 mg、および OC-01 0.06 mg に割り当て、1日2回噴霧した。
・28日間使用し、シルマー試験スコアの変化、角膜フルオレセイン染色の変化(角膜の 5 カ所(中央、上、下、鼻側、耳頭))と眼の乾燥スコアの変化、(0 は「不快感なし」〜100 は「最大の不快感」)を調査した。
・結果:コントロール (n = 43)、OC-01 0.006 mg (低用量; n = 47)、OC-01 0.03 (中用量; n = 48)、OC-01 0.06 mg (高用量; n = 44)だった。6 人 (3%) の患者が研究を中止した。
・28 日後、0.03 投与群または 0.06 mg投与群では、コントロールと比較してシルマー試験スコアの有意な改善を示した(P < 0.001、P < 0.001)。
・0.03 mg 投与群では、ベースライン時より角膜全体のフルオレセイン染色の変化 (P = 0.020)、鼻側角膜フルオレセイン染色 (P = 0.026)がコントロールと比較して有意に改善した。
・0.06 mg 投与群ではベースラインからの角膜フルオレセイン染色の変化に統計的に有意な差はなかった。
・0.03 mg 投与群は、コントロールと比較して 28 日目までに乾燥スコアが大幅に減少した (P = 0.021)。0.06 mg投与群は、コントロールに対して有意でない減少を示した。
・副作用は、くしゃみ (62%–84%) および咳 (9%–25%)を認めたが、一過性で軽度だった。
・0.006 mg投与群と比較して、0.03 投与群および 0.06 mg投与群では、より強い点鼻部位の刺激が発生した。
・結論:バレニクニンは副交感神経刺激薬で,鼻腔内の三叉神経を活性化させ,自然な涙液の生成を促進し,涙液層の恒常性を回復させる。
・OC-01 点鼻スプレーは、ドライアイ疾患の徴候と症状が大幅に改善され、副作用も少ないので、ドライアイの新しい治療の候補となる可能性がある。(CH)