Alcohol Abuse Is Associated With Alterations in Corneal Endothelial Cell Morphology
Ranit Karmakar, et al. (US MD)
Cornea 42(4): 444-448, April 2023.
・目的:アルコール依存が角膜内皮形態の変化に関連しているかどうかを検討した。
・対象と方法: アイ バンクからの5624眼の角膜内皮密度(ECD)、変動係数 (CV)、六角形細胞出現率(HEX)を測定した。また患者の病歴は医療記録からアルコール依存症またはその後遺症が存在するかどうかを調査した。
・結果:5624 眼のドナーの平均ECDは 2785 (383.0) cell /mm2 だった。
・アルコール依存の指標は、1382 眼(24.5%)のドナーに存在した。
・1113 眼のドナー (19.8%) には喫煙歴、1271眼のドナー (22.6%) には糖尿病、および 585 眼のドナー (10.4%) は眼内レンズ眼であった。
・アルコール依存症の既往があるドナーは既往のないドナーと比較して、ECDは約 60.9 cell /mm2 の減少を示した (95% 信頼区間 (CI)、-83.0 ~ -38.7 cell /mm2、P = 7.6 × 10-8)。
・またCVが 0.0048 (95% CI、0.17–0.79、P = 0.002) 増加し、HEXが 0.93% 減少 (95% CI、-1.3 ~ -0.6、P = 4.5 × 10-7) していた。
・この研究の対象眼では、喫煙歴と白内障手術もそれぞれ内皮細胞数の減少に関与していることが分かり、ECDの減少はそれぞれ 36 (P = 0.003) および 88 cell /mm2 (P = 8.7 × 10-8) だった。
・結論:アルコールからアセトアルデヒドへの変換は、角膜内皮への直接的な細胞毒性をもたらす可能性があると仮定されている。
・また、アルコール依存による栄養失調や代謝変化を検討しなければならない。
・この研究では、ECDの減少に加えて、CV とHEX 値にもアルコールの大量摂取による変化が生じることを示唆している。(CH)