Occurrence of Herpes Viruses in Morphologically Normal Corneas
Eleanor N. Nche, et al. (Israel)
Cornea 42(4): 412-415, April 2023.
・目的:ヘルペスウイルスによる角膜移植不全は再移植の原因の 1 つであり、感染がドナー組織に由来するのか、レシピエントの再活性化された潜伏ウイルスに由来するのかについては議論されている。
・ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) を使用して、移植片の単純ヘルペス ウイルス (HSV) 1 型および 2 型と水痘帯状疱疹ウイルス (VZV) DNAを検出し、関連を調査する。
・対象と方法:88眼 の強角膜片(平均年齢65 歳 )からのサンプルは、結膜、虹彩、および角膜内皮から採取され、PCR を使用して HSV-1、HSV-2、および VZV DNA についてテストされた。
・移植されたすべての症例を追跡調査した。
・全眼B 型肝炎、C 型肝炎、および HIVの感染を調べた。
・またCOVID-19 パンデミックの間のドナーは、鼻咽頭スワブから COVID-19 の PCR 検査を受けた。陽性のドナーは除外された。
・移植片はDMEK (59.1%)、PKP (38.6%)、 DLKP (2.3%)に使用された。
・結果:HSV-1は5 眼 (5.7%) で検出されたがHSV-2 は検出されなかった。
・VZV 1 眼(1.2%) で検出された。
・移植片陽性のレシピエントの平均年齢は 80 歳 (22 ~ 97 歳)、移植までの平均日数は 6.5 日、平均 ECD 2677.5 cell /mm2 だった。
・全例ヘルペス性眼疾患の既往歴はなかった。
・1人のレシピエントは、移植後12か月で樹状上皮症とHSVに典型的な角膜炎を発症したが、移植片は治療後も透明性を保っていた。
・結論:形態学的に正常なドナー角膜は、特に HSV-1 に対して PCR 陽性である可能性がある。
・ヘルペス陽性角膜移植片のレシピエントは、ヘルペス性眼疾患のリスクにさらされる可能性があるため、長い経過観察が必要である。(CH)