眼臨紀 17(1):20-25, 2024
蔵並藍他(東京女子医大)
・中心性漿液性脈絡網膜症CSCに対して、網膜光凝固治療後の漿液性網膜剥離SRD消失直後の視力低下と網膜視細胞外節PROSの伸長との関連を88例91眼(平均52.2歳)について検討した。
・LP後のSRD消失直後に視力が0.1以上低下した低下群12例12眼(13.2%)、不変群49例51眼(56.0%)、0.1以上改善した改善群27例28眼(30.8%)に分けて、LP後のPROS長を評価した。
・LP前視力は改善群で低下群、不変群より有意に不良であったが(p<0.05)、各群とも、LP前よりは有意に改善した(p<0.05)。
・LP時のPROS長は、低下群で11.7±4.0μで、不変群8.14±2.5、改善群8.04±2.2μより有意に延長していた(p<0.01とp=0.01)。
・PROS伸長があるCSCに対してLPを行うと、SRD消失直後に一過性視力低下おきたす可能性がある。
・SRDが遷延化すると、RPEによるPROSの代謝が阻害され、PROSが伸長すると考えられる。(TY)