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その他のジャーナル

2024
68巻

虚血性ブレブからの遅発性漏出に対するテノン嚢移植

その他のジャーナル 68巻(1号)2024

A novel bleb revision technique: lining with tenon’s patch graft for treatment of large, ischemic, leaking blebs with severe conjunctival scarring after trabeculectomy.
Akagi T, et al
Jpn J Ophthalmol. 68(1):32-36. 2024

目的:線維柱帯切除術後に結膜の可動化が困難で、重度の瘢痕を伴う大きな虚血性ブレブからの遅発性漏出に対して、テノン嚢移植を用いた新しいブレブライニング法を報告する。
方法:症例シリーズをレトロスペクティブに調査し、対象は大きな虚血性ブレブからの遅発性漏出が見られた6例。
具体的な方法は、小さなテノン嚢組織を切開部位から切除し、ブレブの漏出領域までの通路を作成するためにブレブナイフまたはマイクロはさみを使用し、インドシアニングリーンで染色したテノン嚢組織を虚血性ブレブの結膜の下に挿入し、漏出部位を横切って結膜経圧迫縫合を施し、テノン嚢移植の位置を固定した。
結果:すべての症例において術後すぐにブレブ漏出が完全に封鎖され、4例では術後6~17か月の追跡期間中にその状態が維持された。
2例においては、術後7か月または9.5か月で異なる漏出点から再発したが、テノンパッチライニングの繰り返し修正により正常に封鎖された。
最終的な診察時の眼圧は、緑内障薬や追加の緑内障手術なしで5~13 mmHg(中央値10 mmHg)した。
結論:テノンパッチライニング法は、大きな虚血性ブレブと結膜可動化が困難なブレブ漏出に対して有望な治療法である。(KK)

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