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その他のジャーナル

2008
20巻

初期視覚メカニズムと瞳孔反応

その他のジャーナル 20巻 (3号) 2008

辻村誠一(鹿児島大工)
Vision(日本視覚学会) 20(3): 145-54, 2008
・等輝度グレーティング(同じ振幅のL錐体グレーティングとM錐体グレーティングを逆位相加算したもの)、輝度グレーティング(L,M錐体グレーティングを同位相、同コントラストで加算したもの)として、刺激光を作成した。
・瞳孔反応は等輝度グレーティングに対する反応の方が大きく、色メカニズムの感度が輝度メカニズムの感度よりも高かった。
・瞳孔反応の潜時は200-300msecであるが、等輝度刺激に対する反応は輝度刺激に対する反応より70-100msec遅れている。処理段階あるいは経路が異なることによる差であろう。
・最近、視物質メラノプシンを含む特別な神経節細胞(mRGC)が発見された。
・このmRGCは単体で光刺激に神経応答をし、その信号は生体リズムを調整していると考えられている視交叉上核や瞳孔反応をつかさどっている視蓋前域などに投影しており、赤色刺激には反応せず、青色刺激に対してのみ反応しているようだ
・メラノプシンmelanopsinについては、日眼112(9):831-6,2008を参照

2007
61巻

甲状腺眼症に対するボツリヌス毒素の効果

その他のジャーナル 61巻 (8号) 2007

甲状腺眼症の上眼瞼後退に対するA型ボツリヌス毒素治療効果と眼窩MRIの筋肥大所見との検討
高本他(オリンピア眼科)
臨眼 61(8): 1509-12, 2007
・上眼瞼後退に対して初回ボツリヌス治療を行った甲状腺眼症23例28眼で検討。
・上眼瞼後退は23眼(82%)で改善

2007
11巻

術後の紫外線照射で屈折度を調整できるIOL

その他のジャーナル 11巻 (5号) 2007

Cataract: Steady preogress on the light-adjustable lens.
Shaw J (Price Jr FW, Olson RJ)
Eye Net 11(5): 31-2, 2007
・light-adjustable IOL (LAL:Calhoun VIsion):手術後の残存屈折異常を調整する。
・シリコンIOLではIOL中に分子レベルでスペースが残っており、このスペースを光感受性のあるfree-floating macromoleculesで埋めたものである。
・紫外線に近い365nmの波長の光をmacromoleculesに照射すると、IOLの形を変え、屈折度も変わる
・紫外線発光装置は Carl Zeiss Meditecが開発しているが、IOL上に正確にパターンを照射し、球面屈折、乱視度、高次収差、多焦点、2重焦点性などを修正できる。
・IOLの中心ずれによる屈折変化なども修正できる。
・最終調整後に光を照射し、固定させる

2007
51巻

レーザー虹彩切開時の角膜冷却の効果

その他のジャーナル 51巻 (5号) 2007

Cooling prevents induction of corneal damage by argon laser peripheral iridotomy.
Kataoka T et al(愛知医大)
Jpn J Ophthalmol 51(5): 317-24, 2007
・アルゴンレーザー虹彩切開時に前眼部を冷却すると角膜合併症が減るかどうかを検討。
・氷で冷やした水を角膜と虹彩切開用CLとの間に流した。
・有色家兎で、通常のCL使用してLIを行った場合、前房内温度は 44.5度まで上昇したが、冷却システムを使用すると 11.1-16.1度であり、角膜障害(混濁、厚みの増加)は少なかった。
・直径20mmの eye cup(Carl Zeiss)を使用

2007
61巻

網膜色素変性症に対するウノプロストンの効果

その他のジャーナル 61巻 (4号) 2007

宮村紀毅ほか(長崎)
臨眼 61(4): 541-5, 2007
・RP20例37眼(M:10名、F:10名、年齢58.4±14.8)に1日1回のウノプロストン点眼を2年間行い、ゴールドマン視野4/Vイソプター面積で評価した。
・RP23例46眼(M:10名、F:13名、年齢54.3±14.6)をコントロールとした。
・コントロール群では有意な視野面積の減少があったが、投与群では面積減少はなかった。
・中心視野残存群では有意差はなかったが、周辺視野残存群では有意であった。
・ウノプロストンは網脈絡膜の血行改善作用があり、視細胞、神経網膜を保護した?あるいはウノプロストンが光毒性からの細胞保護作用を発現させたか?

2007
51巻

糖尿病黄斑症に対する硝子体手術時のケナコルト硝子体注入の効果

その他のジャーナル 51巻 (4号) 2007

Recurrence of diabetic macular edema after intrevitreous injection of triamcinolone following vitrectomy.
Shimonagano Y et al(鹿児島大)
Jpn J Ophthalmol 51(4): 278-84, 2007
・DMEに対する硝子体手術(PPV)終了時のトリアムシノロン(TA)注入の効果を検討した。
・PPV+TA群を28眼、PPV単独群29眼をコントロールとし、12ヵ月後まで最良視力(VA)とOCTでの中心窩厚みを測定した。
・PPV+TA群ではVAは1ヶ月まで改善したが、3ヵ月後には悪化。中心窩厚も3ヶ月までは改善したが、6ヵ月後には改善はみられなかった。
・コントロール群ではVAも中心窩厚も改善し続けた。VAはPPV+TA群でコントロール群よりも1ヶ月目(p=0.007)、3ヶ月目(p=0.015)で有意に良かった。中心窩厚は1ヶ月目ではPPV+TA群で有意に薄かった(p=0.0004)。
・これらの差はその後、徐々に有意でなくなり、中心窩厚は12ヶ月目ではPPV+TA群でコントロールよりも有意に悪くなっていた(p=0.0002)。
・術前→12ヵ月後、VA logMAR(小数点):PPV+TA群では0.69(0.20)→0.67(0.21)、PPV群では0.75(0.18)→0.62(0.24)、網膜厚:PPV+TA群では437.7→389.4、PPV群では499.5→250.0μ

2007
1巻

CRVOにトリアムシノロン硝子体注入後に発生した黄斑円孔

その他のジャーナル 1巻 (2号) 2007

Full-thickness macular hole following intravitreal injection of triamcinolone acetonide in central retinal vein occlusion.
Glacet-Bernard A et al(France)
Retinal Cases & Brief Reports 1(2): 62-4, 2007
・61歳の非虚血型CRVOで、視力は20/200。
・中心窩厚みは740μ。経過観察中に視力が5/200に低下し、中心窩厚みは1000μに増加。
・虚血部が現れ、Bスキャンでは後部硝子体剥離は発生していなかった。
・4mgのトリアムシノロンを硝子体内注射。10日後中心窩厚みは538μに減少したが、視力は改善せず(5/200)。
・2ヵ月後、黄斑円孔発生し、後部硝子体剥離も存在。
・視力は不良であり、本人は円孔の発生時期を自覚していなかった。9ヵ月後も同様の変化であった

2006
6巻

経硝子体術眼における調節眼内レンズ

その他のジャーナル 6巻 (12号) 2006

Study: vitreous may contribute to IOL accommodation.
Schultz J, Hancox J(UK)
Ocular Sur News Japan Ed 6(12): 22-3, 2006
・1CU眼内レンズを片眼に挿入した20例と、両眼に挿入した10例で検討した。
・4%ピロカルピン点眼で刺激した後で、経硝子体術眼ではIOLの前方移動は80μであったが、非硝子体術眼では268μであり、経硝子体術眼で有意に少なかった。

2006
6巻

ブロムフェナクは速やかに前房水内に移行し、効果は12時間持続する

その他のジャーナル 6巻 (11号) 2006

Ocular Surg News Japan Ed 6(11): 3, 2006
・通常のNSAIDS(ジクロフェナクなど)は1日3-4回の点眼だが、ブロムフェナク(ブロナック点眼)は1日2回の点眼で十分である。
・前房水中のブロムフェナク濃度は点眼後12時間、術後炎症に主に係る酵素である COX-2の50%阻止濃度の数倍以上の濃度が維持される。

2006
23巻

白内障超音波乳化吸引術中の前房内圧変化

その他のジャーナル 23巻 (9号) 2006

大沼他(獨協医大)
あたらしい眼科 23(9): 1225-7, 2006
・超音波乳化吸引術中の前房内圧を超小型圧センサーを使用して3例で測定した。
・眼圧上昇はハイドロダイセクション、PEA、I/A時に見られた。
・PEA時平均前房内圧はボトル高60cmでは42.46mmHg、100cmでは72.39mmHg。
・I/A時では、ボトル高60cmでは49.70mmHg、100cmでは77.56mmHg。

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