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その他のジャーナル

2023
16巻

COVID-19ワクチン接種後のACG

その他のジャーナル 16巻 (1号) 2023

充血、視力低下をCOVID-19ワクチン接種による副反応と考え、眼科受診が遅れた閉塞隅角緑内障の1例
武藤哲也 ら ,眼科臨床紀要 16(1), 9-12: 2023
・70歳女性 COVID-19の2回目のワクチン接種 6時間後から左眼の充血と左眼周囲の腫脹を生じた。その後、徐々に左眼の視力低下も自覚したが、ワクチン接種の副反応を考え様子を見ていた。吐き気や悪心などはなし。1週間経過しても不変のため近医眼科を受診し、左眼の緑内障発作が疑われて獨協医大埼玉医療センターへ紹介 前医視力 左光覚弁
・手術を行い眼圧下降したが、ワクチン副反応と自己判断して受診を控えてしまったため、不可逆的な視機能低下をきたした。
・接種後の副反応として下記報告
・Gabkaら:接種後に両眼の網膜に黒いシミ状の変化を生じ、チラチラする暗点を生じた症例報告
・Saracenoら:接種4日後に原田病を発症
・Papasavvasら:6年間沈静化していた原田病が2回目ワクチン接種後に炎症再発
・稲見ら:接種後CRAO
・Pawarら:若年成人に発症した視神経炎、垂直注視麻痺、外転神経麻痺
・これらはワクチン接種後に偶発的に生じただけなのか、接種に起因して発症したかは不明(MM)

2023
40巻

アセタゾラミドによる脈絡膜剥離と浅前房化

その他のジャーナル 40巻 (1号) 2023

東花枝, 眼内レンズセミナー あたらしい眼科 40(1), 65-66: 2023
・緑内障の治療や内眼手術前後の眼圧下降目的などで用いられるアセタゾラミドは、毛様体脈絡膜剥離による急性閉塞隅角緑内障を引き起こすことがある。
・海外からの報告
・毛様体脈絡膜剥離は低眼圧を伴うこともあるが、毛様体の前方回旋により虹彩根部と水晶体嚢が前方に偏位し、続発性の隅角閉塞を引き起こすこともある。内眼手術や原田病、後部強膜炎などが主な要因となるが、アセタゾラミド、ヒドロクロロチアジド、ST合剤などスルホンアミド構造を持つ薬剤もその原因となる。治療は散瞳・調節麻痺点眼、副腎皮質ステロイド投与や硝子体切除術。
・Mancinoら:76歳男性 左眼白内障手術直後にアセタゾラミド投与。翌日に両眼の浅前房、眼圧上昇および広範囲な脈絡膜剥離を伴う閉塞隅角緑内障を発症
・右眼は7年前に白内障手術済のIOL眼 内服中止し副腎皮質ステロイドの大量静注で速やかに改善
・Parthasarathiら:CACG既往がある66歳男性 左眼の白内障手術直後にアセタゾラミド内副投与 左眼及び有水晶体眼である右眼も眼圧上昇 浅前房となり毛様体浮腫を認めた
・著者:57歳男性 右白内障手術直前アセタゾラミド内服投与し、通常の白内障手術を問題なく終了
・術後3時間で頭痛と霧視を自覚 術後9時間で受診時 眼圧 右 70mmHg、左 62mmHg
・瞳孔径 右 6mm,左 3mm 対光反射 両眼でやや減弱 両眼 毛様充血、角膜浮腫と浅前房
・瞳孔ブロックを考え、マンニトール点滴、アセタゾラミド内服、両眼にピロカルピン、眼圧下降薬、ベタメタゾン点眼するも下降せず。
・UBMで前房深度は1.34mm、毛様体上腔の液体貯留及び交際、水晶体嚢の前方移動
・毛様体脈絡膜剥離による急性閉塞隅角緑内障と判断し、アトロピン点眼開始したところ眼圧下降し始め、プレドニゾロン内服を2週間継続し正常眼圧となった。
*点眼でも脈絡膜剥離を生じることがある
– Chaves-Smaniego MJ et at. Case Rep Ophthalmol 2022
・手術歴のない緑内障患者でドルゾラミドとチモロール点眼をしている患者で脈絡膜剥離が生じた
– Donmez O et al. Med Hypothesis Discov Innov Ophthalmol 2016
・白内障手術後片眼にドルゾラミド・チモロール配合剤使用していたら、両眼に脈絡膜剥離が生じた(MM)

2023
13巻

日本人の角膜移植後の移植片拒絶反応の症状

その他のジャーナル 13巻 (1号) 2023

Graft rejection episodes after keratoplasty in Japanese eyes
Sci Rep. 2023 Feb 14;13(1):2635.
Haguku Wajima, et al. (金沢大学)
・目的:日本人患者における角膜移植術後の移植片拒絶反応の臨床的特徴と危険因子を調査すること。
・対象と方法:全層角膜移植術(PK) 198例、角膜内皮移植術(DSAEK 277例、nDSAEK 138例、DMEK 117例)、全730例の移植片拒絶の発生率、臨床的特徴、および考えられる危険因子を分析した。
・結果:移植片拒絶反応は 65 例 (8.9%) で発生した。発生率は、PK  (33/198、16.7%)、DSAEK (20/277、7.2%)、nDSAEK (11/138、8.0%)、DMEK (1/117、0.9%) で、PKが他より有意に高かった (P = 0.018、DSAEK; P = 0.022、nDSAEK; およびDMEK; P < 0.001)。
・角膜内皮形成術後の拒絶率が低い理由は、(a) 移植組織は前房に挿入され、抗原提示細胞と抗体が存在する表面に露出しない。そのため前房関連免疫偏位の効果があった可能性。
・(b) 宿主組織とドナー組織をつなぐ縫合糸の数が大幅に減少すると、縫合糸に関連した拒絶反応のエピソードが少なくなる。
・ (c) 宿主間質血管と移植組織との間の直接接触がない。
・ (d) ドナー上皮および実質の大部分が存在しないことによる、移植片の免疫原性の低下、と考えられる。
・PK、DSAEK、nDSAEK、および DMEK における拒絶反応診断時の細隙灯顕微鏡検査による徴候は、結膜充血 (それぞれ 27.3%、30.0%、18.2%、0%)、びまん性角膜浮腫 (それぞれ45.5%、45.0%、45.5%、100%)、角質沈着物 (それぞれ、84.8%、95.0%、90.9%、100%)だった。
・PK の 4 例でrejection lineが観察された。
・PK、DSAEK、nDSAEK、DMEK の自覚症状を伴わない拒絶反応は、それぞれ 51.5%、40.0%、63.6%、100% だった。
・結論:PK が最も高い拒絶率を示し、次に nDSAEK と DSAEK が続いた。
・さらに、DMEK は移植片拒絶の発生率が比較的低いことを示し、他のタイプの角膜形成術よりも優位性が確認された。
・レシピエントのデスメ膜の存在は、拒絶エピソードに関しては差はなかった。
・拒絶反応の約半数に無症状の患者が存在することを考慮すると、眼科医は定期的な術後診察やパキメトリーおよび前眼部OCTを使用した角膜厚の変化に注意する必要がある。(CH)

2023
616巻

医療用人工知能の新たなパラダイム:ジェネラリスト医療用AI(GMAI)

その他のジャーナル 616巻 2023

Foundation models for generalist medical artificial intelligence. 
Moor, M., Banerjee, O., Abad, Z.S.H. et al. (US-CA)
Nature 616, 259–265 (2023). https://doi.org/10.1038/s41586-023-05881-4

foundation models(基盤モデル)と呼ばれる、最新世代のAIが可能にしたもの
多様なタスクに対応できることが特徴
言語モデルGPT-3が代表例のひとつ、いくつかの例を含む説明から学習するだけで、明示的に訓練したことのない全く新しいタスクを実行することができる
前世代のAIモデルは特定のタスクを1つずつ解決するために設計された
(医療領域でのfoundation model開発は以前から行われてきたが、大規模で多様なデータセットへのアクセスの難しさ、医療領域の複雑さ、開発の遅さなどから、foundation modelへのシフトは困難だった)
従来の医療AIは特定のタスクに限定したもの(例:胸部X線写真の肺炎が陽性または陰性)で包括的な報告書の作成が困難だが、
GMAIは大量の異なるデータを組み合わせて処理し、柔軟に解釈することが可能(MK)

2023
340巻

角膜内皮細胞密度の低い患者における低灌流・低吸引圧下での超音波乳化吸引術の臨床観察

その他のジャーナル 340巻 (-号) 2023

Clinical observation of phacoemulsification under the low perfusion pattern and low negative pressure in patients with low corneal endothelial cell density
Yan Lin, et al. (China)
BMC Ophthalmology volume 23, Article number: 340 (2023)
・目的:角膜内皮細胞密度(ECD)の低い患者において、低灌流低吸引圧パターン下での白内障手術(PEA+IOL)の安全性と効果を検討する。
・対象と方法: ECD(554/mm2~996/mm2)が少なく、白内障Emery nuclear grading systemでグレードIII 12眼、グレードIV 5眼の合計16例(17眼)、男性7人7眼、女性9人10眼、平均年齢68.9±5.25歳。
・手術前後のECD、変動係数(CV)、角膜中心厚(CCT)、視力、眼圧の変動を評価した。
・手術は、ステラリス(Bausch + Lomb, USA)を使用、ソフトシェル法
・バーストモードを選択し、ボトルの高さ95cm、U/S 60%、吸引圧 250~300mmHg、吸引流量 40ml/min、1回のバースト閉塞時間は50msに設定。
・結果:手術前の平均視力(Eチャート)0.16±0.09から手術後0.45±0.16(p<0.001)となり有意に改善した。
・平均眼圧は、術前16.88±6.47mmHg、術後14.41±3.10mmHg(p=0.041)。
・手術前後で、17眼中4眼はECDが測定不能だったが、他の13眼では、術後1ヶ月の平均ECD(644.308±106.24cells/mm2)は術前(709.62±119.19cells/mm2)より有意に低下した(p < 0.001)。
・しかし、術前の平均CV(31.23±4.21)、術後1ヶ月の平均CV(32.62±3.80;F=2.130、p=0.157)には有意差は認められなかった。
・手術1ヵ月後の14眼の平均CCT(562.72±27.82μm)は、手術前(534.79±24.69μm)よりも大きかった。
・術後に角膜浮腫を生じたのは5眼のみであり、浮腫は術後1ヶ月で明らかに消失した。
・結論:低灌流低吸引圧による白内障手術は、白内障と角膜内皮細胞機能不全の患者に対して安全で有効であることを示している。
・白内障手術を受けると角膜内皮細胞は平均4~25%減少すると言われている。
・原因は主に機械的傷害と熱傷害である。
・本研究での低灌流低吸引圧で手術の利点は(1)前房の動揺が少ないため、手術中のサージ現象、浅前房、硝子体脱出の発生率を減少できる。
・(2)粘弾性物質の吸引を緩やかにし、角膜内皮を効果的に保護する。
・(3)水晶体核をゆっくり粉砕し、手術の安全性を高める。
・(4)術中の眼圧上昇を抑え、手術中の高眼圧による角膜内皮の傷害を回避する。(CH)

2022
4巻

ニキビダニ眼瞼炎の治療における1%イベルメクチンクリームの有効性

その他のジャーナル 4巻 (41号) 2022

Efficacy of Topical Ivermectin 1% in the Treatment of Demodex Blepharitis
Young Choi,et al. (Korea)
Cornea:  2022 (41)  Issue 4 p 427-434
・目的:ニキビダニ眼瞼炎(まつげダニ眼瞼炎)の治療において、眼瞼の清拭と睫毛に1% イベルメクチンクリーム塗布する治療を組み合わせて有効性を評価する。 
・対象と方法:ニキビダニ眼瞼炎と診断された患者 102 例102 眼。
・4つの条件を全て満たした場合ニキビダニ眼瞼炎と診断した。
・1) 眼の不快感を軽減するために 1カ月以上点眼薬で治療したが、症状が持続している。
・2)かゆみや刺激など、眼瞼炎に関連する眼の不快感が存在。
・3) 眼瞼の剥離物、眼瞼の発赤/腫れ、および眼瞼の毛細血管拡張の3つの症状すべてが、両眼で軽度またはそれ以上であった場合。
・4) 各眼瞼から2本の睫毛を抜き取り、合計8本を顕微鏡で観察し、1本の睫毛に4匹以上のニキビダニが観察された場合
・イベルメクチン群 (n = 51) は1% イベルメクチンクリームを週1 回 15 分間まつげに塗布した。15 分後にクレンジングで慎重に拭き取った。塗布したときに、クリームが眼に入らないように指示された。対照群 (n = 51) は塗布しなかった。
・両グループで、tea tree oil を含む眼瞼の洗浄製品を使用して1日 1回清拭を行なった。
・症状アンケート スコア、オックスフォード染色スコア、眼瞼の剥離物、眼瞼の発赤/腫れ、および毛細血管拡張を評価した。
・結果:平均経過観察期間は、イベルメクチン群15.1 ± 9.7 週間 (範囲: 4 ~ 40 週間) 、対照群14.8 ± 8.6 週間。
・症状アンケートと眼瞼の剥離物は両グループとも有意に改善されたが、イベルメクチン群でより大きく改善した。
・オックスフォード着色スコア、眼瞼の発赤/腫れと毛細血管拡張は、イベルメクチングループでだけ有意に改善した。
・1% イベルメクチンクリームによる合併症は認められなかた。
・結論:1%イベルメクチンクリームの塗布と、毎日の眼瞼の清拭を併用することは、ニキビダニ眼瞼炎の自覚症状と客観的徴候を改善するのに、副作用なしでより効果的であることを示した。
・ニキビダニ眼瞼炎の効果的な治療法として処方できると考えられている。(CH)

2022
15巻

Intrapapillary hemorrhage with adjacent periparillary subretinal hemorrhage (IHAPSH)

その他のジャーナル 15巻 (12号) 2022

Intrapapillary hemorrhage with adjacent periparillary subretinal hemorrhageの2例
高橋宏典ら 眼科臨床紀要 15(12), 822-825: 2022 (自治医大)
・1981年 渡辺ら:若年者で中等度あるいは軽度の近視眼で、乳頭から花冠状に広がる網膜前出血、乳頭に接した網膜化出血、硝子体出血を伴う症例を報告
・1989年 廣辻ら:近視性乳頭出血という呼称
・2004年 Kokameら:傾斜乳頭、近視眼、急性の乳頭浮腫などに起因して、乳頭部の出血に加え、乳頭周囲に網膜化出血が見られるIHAPSHという疾患概念を提唱
・2021年 長岡ら:本邦におけるIHAPSHのまとめを報告
・症例1 23歳男性 主訴:右飛蚊症
・s-5.25D:c-1.25DAx180、両眼とも傾斜乳頭、小乳頭(DM/DD=3.4)
・無治療で経過観察して10週後に消退
・症例2 13歳女児 主訴:左飛蚊症
・s-7.5D、傾斜乳頭、小乳頭(DM/DD=3.8)
・無治療で経過観察して、6週後に消退
・傾斜乳頭、小乳頭を呈する症例や、近視の進行過程の小児に見られる乳頭出血の原因としてIHAPSHを認識しておく
・乳頭出血の機序
・近視性乳頭出血の報告では、牽引コーヌス、被服コーヌスを基盤とした脈絡膜由来血管系からの出血、近視性乳頭浮腫に伴う出血、乳頭篩板前部から脈絡膜へ還流する細静脈のうっ滞による出血、近視性乳頭ですでに水平方向に牽引されている表在性網目状毛細血管、放射状乳頭前毛細血管が後部硝子体剥離による硝子体側への牽引で破綻性出血をきたしやすいことなどが推測。
・傾斜乳頭では、乳頭が斜め上方より眼球に入るため、血管が屈曲し循環障害をきたしやすいことが考えられている。
・その他後部硝子体剥離に伴う機序や硝子体乳頭間の牽引、視神経乳頭浮腫が出血の原因となると推測されている
・長岡らのまとめ:2004年以降 9例11眼 
・年齢10-78歳、9例中8例が女性
・片眼性が7例、両眼性に2か月、2年の期間をおいて発症した報告あり
・傾斜乳頭や小乳頭といった乳頭形態変化が4例、高齢者を除き近視眼に多く見られている。
・出血消退までの期間は2週から6か月 視力予後はおおむね良好だが、高齢者ではIONやRAOを随伴した報告あり(MM)

2022
11巻

Hisayama Studyの結果

その他のジャーナル 11巻 (11号) 2022

Prevalence of Glaucoma and Its Systemic Risk Factors in a General Japanese Population: The Hisayama Study
Kohta Fujiwara et al. Transl Vis Sci Technol,2022 Nov 1;11(11):11.
・2017-2018年に久山町にて40歳以上の3405名(平均年齢64.6歳: 多治見スタディ58.4歳)を対象として、ステレオ眼底カメラとSS-OCTを用いて調査したpopulation-based, cross-sectional study
・結果:ステレオ眼底カメラでは検出できなかったがOCTで検出できた緑内障:22名
・緑内障の有病率は
全体で7.6%(95%CI:6.7-8.6)  比較   多治見スタディ    5%
POAG: 5.8%(5.0-6.6)                                    3.9%
PACG: 0.7%(0.5-1.1)                                     0.6%
PEG:  1.1%(0.7-1.4)    
続発(PEG以外): 0.1%(0.01-0.2)                          
緑内障治療がされていたのは69名(26.6%)                  7.9%
・リスクファクター
・POAG: 年齢(OR:1.48 /10y)、腎機能低下(eGFR)(OR:1.1 /10 mL/min/1.73 m2減少)、高眼圧(OR:1.06 /1 mmHg)、長眼軸(OR:1.44 /1mm)、薄いCCT(OR:1.09 /10μm)
・PACG: 年齢(OR:1.71 /10y)、女性(OR:3.08)、Diabetes(OR:2.74)
・PEG: 年齢(OR:2.99 /10y)Diabetes(OR:2.15)、薄いCCT(OR:1.14 /10μm)
・結論:多治見スタディの時よりも日本の高齢化が進み、有病率が約8%に増加していると考えられる。(多治見スタディと年齢・性別を調整するとほぼ同じ5%)。全身の因子としてeGFR(推算糸球体濾過量)、糖尿病がPACGとPEGも示唆された。(MM)

2022
15巻

低加入度分節眼内レンズと単焦点眼内レンズの術後屈折値比較

その他のジャーナル 15巻 (10号) 2022

低加入度分節眼内レンズと単焦点眼内レンズの術後屈折値比較
江村純子他(東京女子医大)
眼臨紀 15(10): 649-652, 2022
・LENTIS Comfortの11例20眼と、単焦点IOLの8例11眼で、等価球面度数SEの自覚値と他覚値を1ヶ月目と3か月目で比較した。
・3か月目のLENTIS群は自覚値で-0.38±0.42D、他覚値で-0.63±0.49Dであり、有意差があった(p=0.017)。
・単焦点群での3か月目は自覚値で+0.02±0.45、他覚値で-0.11±0.52であり、有意差があったが(p=0.037)、その差はLENTIS群の方が大きい傾向があったが有意差はなかった(p=0.57)。
・LENTIS眼では他覚的なSEを参考にして視力測定をすると近視よりにでる可能性があり、注意が必要。(TY)

2022
41巻

再発性角膜びらんの診断のための角膜スイープテスト

その他のジャーナル 41巻 (10号) 2022

Implementation of the Corneal Sweep Test in the Diagnosis of Recurrent Corneal Erosion: A 2-Year Retrospective Study
Madeleine Eun-Ji Kim, et al. (US GA)
Cornea. 2022 Oct; 41(10): 1248–1254.
目的:標準的な診断方法と角膜スイープ テスト (CST) と呼ばれる新しい技術を使用して、再発性角膜びらんの発生率を評価する。
・対象と方法:以前に再発性角膜びらんと診断されたことのある 51 人58 眼。
・CSTは確認できる角膜病変がない患者に対して実施された。
・CSTのためにキム角膜スイーパー(Katena)と呼ばれる専用の器具が開発された。これは、角膜表面全体をさっとなでて接着の悪い上皮の領域を特定するために使用される。点眼麻酔薬をして、フルオレセイン色素で染色した後、キム角膜スイーパーで角膜表面に接線方向に弱い圧力をかる。 正常な角膜では涙液のためスイープ操作がスムーズで、角膜上皮に外傷を与えない。 しかし、接触の弱い上皮部分では、その下にある上皮基底膜から分離して局所的なひだ(潜在的な角膜びらん)を作成する。
・結果: 58 眼中 9眼は細隙灯顕微鏡検査で角膜びらんを確認できた。49眼で CST が必要だった。そのうちの 34眼はCSTでひだの形成(潜在的な角膜びらん)を認めた。
・原因は、白内障手術 (28 眼、48.2%)が最も多く、20眼は白内障手術後にのみ症状を発症し、すべて白内障手術の切開創の真上にびらんを認めた。
・対象として健康な角膜のコントロール40眼にCSTを行った。38眼 (95%)では異常を認めなかったが、2 眼 (5%) で約 1 mm のひだの形成(潜在的な角膜びらん)を認めた。
・結論:CSTは、細隙灯顕微鏡検査では角膜所見がない場合に角膜びらんを診断するのに役立つ新しく効果的な技術である。白内障手術は切開創部分が角膜びらんの原因となる可能性があるため、重要な危険因子だった。CST は 再発性角膜びらんや持続性眼痛症候群の患者に有用であると思われる。(CH)

   

2022
41巻

ドライアイ疾患の徴候と症状に対する OC-01 (Varenicline Solution) 点鼻スプレーの安全性と有効性を評価する

その他のジャーナル 41巻 (10号) 2022

ONSET-1 Phase 2b Randomized Trial to Evaluate the Safety and Efficacy of OC-01 (VareniclineSolution) Nasal Spray on Signs and Symptoms of Dry Eye Disease
David Wirta, et al, (US NJ)
Cornea 41(10): 1207-1216, October 2022.
・目的:ドライアイ疾患の徴候と症状に対する、ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト点鼻スプレーである OC-01 (バレニクリン溶液) の安全性と有効性を評価する。
・対象と方法:医師がドライアイ疾患と診断しており以前に人工涙液を使用していた患者182人(平均年齢65.5歳)を無作為にコントロール、OC-01 0.006 mg、 OC-01 0.03 mg、および OC-01 0.06 mg に割り当て、1日2回噴霧した。
・28日間使用し、シルマー試験スコアの変化、角膜フルオレセイン染色の変化(角膜の 5 カ所(中央、上、下、鼻側、耳頭))と眼の乾燥スコアの変化、(0 は「不快感なし」〜100 は「最大の不快感」)を調査した。
・結果:コントロール (n = 43)、OC-01 0.006 mg (低用量; n = 47)、OC-01 0.03 (中用量; n = 48)、OC-01 0.06 mg (高用量; n = 44)だった。6 人 (3%) の患者が研究を中止した。
・28 日後、0.03 投与群または 0.06 mg投与群では、コントロールと比較してシルマー試験スコアの有意な改善を示した(P < 0.001、P < 0.001)。
・0.03 mg 投与群では、ベースライン時より角膜全体のフルオレセイン染色の変化 (P = 0.020)、鼻側角膜フルオレセイン染色 (P = 0.026)がコントロールと比較して有意に改善した。
・0.06 mg 投与群ではベースラインからの角膜フルオレセイン染色の変化に統計的に有意な差はなかった。
・0.03 mg 投与群は、コントロールと比較して 28 日目までに乾燥スコアが大幅に減少した (P = 0.021)。0.06 mg投与群は、コントロールに対して有意でない減少を示した。
・副作用は、くしゃみ (62%–84%) および咳 (9%–25%)を認めたが、一過性で軽度だった。
・0.006 mg投与群と比較して、0.03 投与群および 0.06 mg投与群では、より強い点鼻部位の刺激が発生した。
・結論:バレニクニンは副交感神経刺激薬で,鼻腔内の三叉神経を活性化させ,自然な涙液の生成を促進し,涙液層の恒常性を回復させる。
・OC-01 点鼻スプレーは、ドライアイ疾患の徴候と症状が大幅に改善され、副作用も少ないので、ドライアイの新しい治療の候補となる可能性がある。(CH)

2022
39巻

ガス併用硝子体白内障同時手術に適した眼内レンズ 

その他のジャーナル 39巻 (9号) 2022

ガス併用硝子体白内障同時手術に適した眼内レンズ 
横田陽匡
あたらしい眼科 39(9): 1193-1199, 2022
・ニデック NS-60YG、HOYA XY1、参天 X-70で、裂孔原性網膜剥離に対する硝子体白内障同時手術の際に前房安定性を調べた。
・NS-60YGは有意にSF6ガス注入に伴うIOLの前方移動を抑制されていた。
・後方圧縮荷重を測定すると、NS-60YGがもっとも圧縮荷重が高く、ガス圧に対する固定性が良好で、前房内安定性が高いことが分かった。
・YP2.2(興和)、XCB00V(J&J)も圧縮荷重が高かった。(TY)

2022
41巻

メタ回帰モデル

その他のジャーナル 41巻 (8号) 2022

Diabetes Mellitus Type 1 has a Higher Impact on Corneal Endothelial Cell Density and Pachymetry than Diabetes Mellitus Type 2, Independent of Age
Cornea 41(8): 965-973, August 2022.

・目的:1 型糖尿病(T1DM)と2 型糖尿病患者(T2DM)、および非糖尿病患者(対象群)における角膜内皮細胞密度 (CED)と中心角膜厚(CCT)の違いを評価する。
・対象と方法:17の研究がメタ回帰に使用された。T1DM 367人、T2DM 2136人。
・結果:T1DMのCED は 2900 cells/mm2 (2712–3089 cells/mm2)で対象群よりも 193 cells/mm2 少なかった (95% CI: -254 ~ -132; P < 0.00001)。年間平均損失は 16 cells/mm2で、これは対象群と同様だった。細胞の損失は糖尿病の罹患期間と関連していなかった(P = 0.383)
・T1DM と CCT の間には有意な正の関連があった。 22.82 歳の時点で、T1DMではCCT 531 μm (95% CI: 524–537; P < 0.00001) であり、対象群よりも 24 μm 厚かった (95% CI: 15–33; P < 0.00001)。CCT の増加は年間 2 μm 。
・ T2DMのCEDは2386 cells/mm2 (2251–2520 cells/mm2)、対象群よりも 151 個/mm2 少なかった (P < 0.00001)。2 型糖尿病患者の推定 CCT が 554 μm (95% CI: 545–563) だった。T1DMで得られた結果とは異なり、細胞の損失は糖尿病の罹患期間と関連していた( -37 cells/mm2 95% CI: -45 -29; P < 0.00001)。 平均 CCT の増加は年間 2 μm  (95% CI: 1.7–2.8; P < 0.00001)でT1DMと同様であった。
・結論:T1DM、T2DM共にCEDの減少とCCTの増加に関連していることを示した。 これらの差は、T2DMと対照群よりも T1DM 患者と対照群で大きかった。
・両方のグループで対照群と同様に加齢による CED の減少を示した。
・DMが角膜内皮の損傷に影響を与えることから、臨床的にさらなる注意が必要である。(CH)

 

2022
39巻

ドライアイ患者における長時間作用型ジクアホソル点眼液(DE-089C)の有効性と安全性

その他のジャーナル 39巻 (8号) 2022

Efficacy and Safety of the Long-Acting Diquafosol Ophthalmic Solution DE-089C in Patients with Dry Eye
Advances in Therapy 2022 Aug;39(8):3654-3667. 
Yuichi Hori, et al. (東邦大学)
・目的:ドライアイ患者における 長時間作用型ジクアホソル点眼液(DE-089C)の有効性と安全性を評価する。
・対象と方法:(1) フルオレセイン角膜染色スコア≧1 (2)DEQSアンケートで乾燥スコア≥ 1 (3) シルマー試験 I の結果 ≤ 5 mm/5 分 (4) BUT ≤ 5 秒 全ての条件を満たしているドライアイの患者330 人をDE-089C点眼 またはプラセボ点眼液に無作為に割り当て(DE-089C 群166 人、プラセボ群164 人)、2 週間のウォッシュアウト後、1 日 3 回、4 週間使用した。
・ベースラインから 4 週目までのBUT の変化、シルマーテスト I の結果、フルオレセイン角膜染色スコア、ドライアイQOLアンケート(DEQS )のスコアで評価した。
・結果:DE-089C群での 4 週目のフルオレセイン角膜染色スコアとリサミングリーン染色スコアの改善は、プラセボ群よりも有意に大きかった。 (それぞれP < 0.0001)。
・DEQSアンケートの乾燥スコア、シルマーテストⅠでは有意差はなかった。
・DE-089C群では、試験開始直前まで従来のジクアホソル点眼液(DQS)を使用していた患者の89.4%が、「点眼薬の使用感はDQSよりもDE-089Cの方が優れている、または 2つの点眼液の間で同等である」と回答し、ヒアルロン酸点眼、レバミピド点眼、人工涙液点眼を使用した患者のうち、DE-089Cが「以前の点眼薬よりも優れている、または同等である」と回答した患者の割合は、80.0%、91.7%、69.2%だった。
・DE-089C群で(発生率1%以上)報告された副作用は、軽度の眼刺激感(3.6%)および眼脂(1.8%)だった。
・視力、前眼部検査、眼圧に関しては、両群でベースラインからの臨床的に有意な変化は認められなかった。
・結論: DE-089C の薬剤効果が DQS よりも長いのは、DE-089C の点眼液にポリビニルピロリドンを添加することにより達成されると考えられている。
・ポリビニルピロリドンは、そのポリマー構造に水を保持し、ムチンに親和性があると報告されている。
・ したがって、DE-089C の点眼後、ジクアホソルの薬理作用により患者から分泌された涙液とムチンは、点眼液中のポリビニルピロリドンと結合し、より長く滞留すると考えられる。
・ドライアイは長期の治療が必要な慢性疾患であり、点眼薬の使用感は重要である。この研究では多くの患者は以前使用していたドライアイ点眼より同等またはそれよりも優れていると報告した。
・DE-089C は、ドライアイ患者の治療アドヒアランスの改善に貢献する可能性があり、それがより良い治療効果につながると思われる。(CH)

2022
64巻

新しい浸出型加齢黄斑変性の分類と用語

その他のジャーナル 64巻 (7号) 2022

新しい浸出型加齢黄斑変性の分類と用語
柳靖雄 眼科 64(7): 633-645, 2022
・加齢黄斑変性症の分類総説
Consensus Nomencature for Reporting Neovascutar Age-related Macular Degeneration Data.
Spaide RF, Jaffe GJ, Sarraf D et al.  Ophthalmology 127(5): 616-636, 2019
Consensus on Neovascular Age-Rerated Macular Degeneration Nomenclature Study Group.(TY)

2022
39巻

細菌性眼瞼炎に対するアジスロマイシン点眼液を用いた治療プロトコールの検討 第一報:臨床経過の検討

その他のジャーナル 39巻 (7号) 2022

子島良平 他(宮田眼科病院)
あたらしい眼科39 (7) : 999-1004. 2022

・目的:細菌性眼瞼炎に対する抗菌薬の投与期間と症状,再発状況を評価し、細菌性眼険炎の治療プロトコールを検討する。
・対象と方法:2019年12月から2021年3月細菌性眼瞼炎と診断され、治療目的で1%アジスロマイシン(1% AZM)点眼液を投与した患者のうち、14日間の点眼期間内に1回以上受診した患者を対象とした。眼瞼炎を前部眼瞼炎(睫毛根部を中心とした部位の炎症)と後部眼瞼炎(マイボーム腺開口部周囲の炎症)に分類し、初診時、点眼7日後、14日後、点眼終了1カ月後の転帰、点眼期間、再発率、症状スコア、治癒に影響を与える因子を検討した。
・結果:対象は46例46眼(男性10 例、女性36例)、平均年齢72.2歳。治癒率は41.3%、治癒・改善率は93.5%、点眼期間は11.3日、点眼終了1カ月後の再発率は6.5%であった。治癒に影響を与える因子は病型で、後部眼瞼炎が前部眼瞼炎よりも治癒しやすかった(オッズ比38.462. 95%信頼区間6.944-200.000, p<0.0001)。
・点眼14日後までの治癒率は、前部眼瞼炎で11.1 % (3/27)、後部眼瞼炎で84.2%(16/19)、治癒・改善率はそれぞれ88.9% (24/27). 100 %(19/19)だった。自覚症状および他覚的所見のスコアはすべての項目で、前部眼瞼炎では点眼14日後以降、後部眼瞼炎では点眼7日後以降で初診時から有意に減少した。
・副作用は6眼で認められ、べたつく2件、霧視、異物感、乾燥感、刺激感がそれぞれ1件。
・結論: 前部眼瞼炎より後部眼瞼炎の治癒率が高かった理由として、主成分であるAZMの抗菌作用や抗炎症作用、マイボーム腺上皮細胞への直接作用などさまざまな機序が関与したと推測される。1% AZM点眼液を使用すると90%以上の症例で14日以内に治癒もしくは改善するため、最長でも14日間で投与を終了することが重要である。(CH)

2022
5巻

レクトミー術後のステロイド点眼アドヒアランスと術後成績の関係

その他のジャーナル 5巻 (4号) 2022

Electronically Monitored Corticosteroid Eye Drop Adherence after Trabeculectomy Compared to Surgical Success
Elyse J. M. et al. J of Glaucoma 5(4), 379-387: 2022

・90名90眼のレクトミーまたはチューブシャント手術を受けたPOAGまたはPACG患者をプロスペクティブに最長一年追跡調査 術者はA〜E
・ステロイド点眼瓶に点眼監視装置(Kali Drop device)を取り付け、術後の点眼アドヒアランスをリアルタイムで記録した。
・点眼瓶を取り付けるワイヤレス3G対応のプラスチックボトルで、ボトルの倒立状態と同時の圧力を測定し、日付と時刻をサーバーにリアルタイムで送信
・アウトカム:術後最初の5週間の点眼アドヒアランスと術後6週、6か月、1年での目標眼圧(8-21mmHg)達成状況、6M,1年目のブレブ形態
・術後点眼指示:
・術後1W:prednisolone acetate 1% 2時間毎
・(術者の判断で13名は術後の眼圧下降薬の使用および3時間毎のステロイド点眼を2週間目に挿入。)
・その後4回/日で1W、3回/日→2回/日→1回/日→中止(5週 or 6週目)
・最初に48時間以上点眼記録がない場合はディバイスが作動しているかの確認の電話を行った。電話を受けた被験者は8/28名で、その他の患者には点眼状況にかかわらず電話をかけなかった。
・結果
・90%のTLE患者は0.4mg/ml MMCの注射
・6%は患者家族が点眼
・平均2.2回の手術既往
・点眼遵守率(実際の点眼回数÷指示点眼回数)
・全体 89.7±13.7%
・2時間毎の期間:80.9%±15.8%
・3時間毎の期間(13名):68.9%±14.4% この期間は他の期間と比べて遵守率が悪い
・4回→3回→2回→1回の期間:95%、95%、100%、100%
・平均総投与mg 6.48±1.77mg(理論的には7.22±1.87mg、0.90±0.11倍 P<0.0001)
・目標眼圧達成率 90名中
・6W:87%
・90名のうち6Mもしくは1Yで検査できたのは73眼 (COVID-19の影響)
・そのうち80.8%(59/73眼)で目標眼圧達成、 7眼は1剤以上の眼圧下降薬使用
・7眼は追加手術 
・5眼TLE後 リークの修正2、低眼圧の修正2、ブレブ不快感1
・      2眼Tube後(12眼中) 眼圧上昇のため再手術
・高齢者、視野が悪い:点眼遵守率が悪い
・術者A:遵守率が高い 92% vs 84%(B〜E)
・術者Aは3時間ごとの点眼期間(2週目)追加はなかった。
・点眼遵守率の高い目は6M/1Yでの再手術なしで目標眼圧を達成する可能性が高かった。(MM)

2022
41巻

成人ドライアイ患者のマイボーム腺機能不全に対するTearCare治療

その他のジャーナル 41巻 (4号) 2022

TearCare for the Treatment of Meibomian Gland Dysfunction in Adult Patients With Dry Eye Disease: A Masked Randomized Controlled Trial
Preeya K Gupta, et al. (NC USA)
Cornea 2022(4);41:417–426
・目的:マイボーム腺機能障害に関連するドライアイ疾患の治療のため、LipiFlow 治療とTearCare 治療を比較し、安全性と有効性を実証すること。
・対象と方法:135 人の被験者がベースライン時に 1 回の TearCare (TC) 治療 (n = 67) または 1 回の LipiFlow (LF) 治療 (n = 68) を受け、治療後 1 か月間経過観察した。涙液層の崩壊時間(BUT)、マイボーム腺機能、角膜および結膜の染色スコアをベースライン時、2 週間後、1 か月後に評価した。ドライアイの症状はOSDI(Ocular Surface Disease Index)を使用して評価された。
・結果:治療後 1 か月で、両方のグループがBUTとマイボーム腺分泌スコアの有意な改善 (P < 0.0001) を示した。
・ドライアイ症状のスコアも両グループで有意に減少していたが、TC グループより大きな改善を示しました。
・合併症はTC グループ3 人 (表在性点状角膜炎、霰粒腫、および眼瞼炎) 、LF グループの 4 人 (眼瞼炎、異物感2例、重度のドライアイ) で報告された。
・結論:1回のTearCare治療は、マイボーム腺機能不全患者のドライアイの所見と症状を大幅に軽減した。LipiFlow治療と同等の効果を得られた。(CH)

2022
36巻

Kane formulaの予測精度の検討

その他のジャーナル 36巻 (2号) 2022

Kane formulaの予測精度の検討
徳田祥太他(宮田眼科)
IOL&RS 36(2): 251-257, 2022
・人工知能(AI)を用いたKane式の予測精度を調査した。
・356眼を対照として検討した結果、屈折誤差はKane式0.05±0.35D、Hill式0.05±0.37、Barrett式 0.08±0.37、Haigis式 -0.02±0.40、SRK/T式 0.02±0.35であった。
・屈折誤差の絶対値は順に、0.26±0.23、0.29±0.23、0.30±0.23、0.30±0.26、0.26±0.23で、Kane式はBarrett式と比べて有意に小さかった(p=0.004)。
・屈折誤差±0.25D以内の割合は、Kane式がHill、Barrett、Haigisより有意に良好であった(p=0.022, p<0.001, p=0.009)。
・今後、生体計測装置への搭載が期待される。(TY)

2021
125巻

壮年期の閉塞隅角眼での前房深度減少速度

その他のジャーナル 125巻 (12号) 2021

松岡他(大阪): 日眼 125(12): 1099-1103, 2021
・初診時に原発閉塞隅角症疑い(PACS)あるいは原発閉塞隅角症(PAC)と診断した65歳未満(50.6±6.1歳)の11例22眼で前房深度(ACD)を1549±762日間(601~2660日)検討した。
・ACDは初診時2.035±0.228から1.902±0.174に有意に減少した(p=0.049)。
・平均ACD減少速度は-0.289mm/年であった。
・経過中にPACSからPACに移行したのは7例10眼、緑内障発作を発症した例は1例2眼であった。(TY)

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