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その他のジャーナル

2018
11巻

眼軟膏によるアトロピン調節麻痺検査の有用性

その他のジャーナル 11巻 (5号) 2018

中川喜博、宮木 眸、上岡康雄、鈴木康之(東海大)
眼臨紀 2018;11(5):369-371
【目的】調節麻痺薬としてアトロピン眼軟膏(A軟膏)を使用した小児の検査成功例と副作用発現例につき後ろ向きに検討
【対象と方法】2007-2016の10年間に、当院で初めてA軟膏を使用した0-13歳の270例
軟膏を1日1回、就寝中に点入、7日後に屈折検査
・A軟膏の使用前1年以内にシクロペントレート点眼薬で調節麻痺下屈折検査を行った8例16眼について、アトロピン使用時の屈折値と比較検討
【結果】初回で検査遂行:260例(96.29%)
・副作用:2例(0.74%)→眼瞼皮膚炎1例、発熱1例
・シクロペントレート点眼薬との屈折値との比較:平均0.70D、有意に遠視寄り(P<0.001)
【結論】A軟膏使用による副作用発現率は低く、十分な調節麻痺効果も得られた。眼軟膏によるアトロピン調節麻痺検査は有用であると考えられた(MK)

2018
62巻

レーザー虹彩切開術(LI)によって引き起こされた水疱性角膜症(BK)に対する全層角膜移植術後(PK)の角膜内皮細胞減少率と移植片生存率

その他のジャーナル 62巻 (5号) 2018

Endothelial cell loss and graft survival after penetrating keratoplasty for laser iridotomy-induced bullous keratopathy
Naoki Okumura et al. (バプテスト眼科クリニック)
Japanese Journal of Ophthalmology (2018)(5) 62:438-442
目的:2000年3月から2011年12月の間にBKのためPKを受けた患者を、PK前のLIあり(LI-BK群)またはLIなし(非LI-BK群)の2群に分けて角膜内皮細胞減少率(ECD)と移植片生存率を比較検討した。
対象と方法:LI-BK群21眼(平均年齢60.4±9.2、白内障手術併用20眼、単独1眼)、非LI-BK群31眼(平均年齢60.5±12.0、白内障手術併用14眼、単独17眼)
両群間のドナー特性は類似していた。
結果:LI-BK群の平均ECD損失率は術後12ヶ月で25.6%から108ヶ月で85.6%に増加した。非LI-BK群の平均ECD損失は、術後12ヶ月で32.9%から108ヶ月で72.0%に増加した。
観察期間中、LI-BK患者の平均ECD損失率は非LI-BK患者より有意に高かった。 LI-BK群の21眼のいずれにおいても移植片不全は認められなかったが、非LI-BK群で25例中4例(16.0%)の移植片不全になった。(P=0.114)
結論:LIに続発するBKのPKの結果は、他のタイプのBKのPKの結果より悪くはなかった。しかし、PK後の長期経過観察では、LI-BK群ではLI-BK群よりも細胞密度が速く低下し、PKより前にLIの存在に細胞喪失が関与している可能性が示唆された。(CH)

2018
31巻

黄斑円孔への水晶体嚢自家移植

その他のジャーナル 31巻 (3号) 2018

若林美宏(東京医大)
眼科手術 31(3): 379-381, 2018
・ILM自家移植の代わりに、水晶体嚢を切開して移植する方法。
・BBGで染色した前嚢でも後嚢でもよく、移植時は表でも裏でも良い。
・後嚢は採取時にカールするため、大きめの切除が必要。(TY)

2018
62巻

角膜内皮細胞密度に対するアルゴンおよびNd:YAGレーザーを用いたレーザー周辺虹彩切開の影響

その他のジャーナル 62巻 (2号) 2018

Effect of laser peripheral iridotomy using argon and neodymium-VAG lasers on corneal endothelial cell density: 7-year longitudinal evaluation
Takashi Ono, et al. (宮田眼科)
Jpn J Ophthalmology (2018)(2) 62:216-220.
・目的:アルゴンとNd:YAGレーザーを用いたレーザー周辺虹彩切開(LPI)後7年間までの角膜内皮細胞密度(ECD)の変化を評価する。
・対象と方法:アルゴンおよびNd:YAGレーザーを用いて予防的LPIを施行し7年間経過観察できた51人51眼、平均年齢68.0歳(47-82歳)、術前平均ECD 2657.5 ± 245.7cells/mm2
・結果:術後1年平均ECD 2612.6 ± 272.1cells/mm2、術後7年平均ECD 2582.9 ± 269.3cells/mm2。1年および7年の術後ECDは、術前ECDと有意差があった(P = 0.045および<0.001)
・術前から術後7年までの平均減少率は2.73 ± 6.13%。
・術後1年の減少率(1.69 ± 4.80%)は術後1〜7年(0.17 ± 0.85%)と比較して有意に高かった。(P = 0.036)
・3眼(5.9%)で術後7年間でECDが10%以上(13.0%〜24.9%)減少した。これらは、比較的浅い前房があったが、PEは認められなかった
・49眼の平均総エネルギーは8.2mJ(2.0から61.2mJ)、ECD減少率と総エネルギーとの間に有意な関連は見られなかった(術後1年P = 0.50、術後1〜7年P = 0.47)。
・結論:LPI後のECD減少率は初年で1.69%、手術後1年から7年の間に年間ECD減少率は0.17%であった。
・ECDは、正常な眼で年齢とともに0.3%〜0.6%低下することを考慮すると、術後1年以降の減少は老化によるものであると考えられた。
・これらの結果は、アルゴンNd:YAGレーザーLPIが手術後1年までECDの損失に影響を与えていることを示した。(CH)

2018
62巻

黄斑円孔手術後の網膜厚の変化

その他のジャーナル 62巻 (2号) 2018

Retinal thinning after internal limiting membrane peeling for idiopathic macular hole.
Imamura Y et al(帝京大)
Jpn J Ophthalmol 62(2): 158-162, 2018
・黄斑円孔でILM剥離を行った連続32例33眼で、ETDRSに準じた内1/4分割網膜部の厚みを、術前、2W、1,3,6,12M後に測定した。
・黄斑円孔も底部と最小径を測定した。
・13眼はStage2、12眼はStage3、8眼はStage4である。
・耳側網膜厚は術前が362.8±29.9、2W後337.9±20.6、12M後307.6±20.2で有意差があった(p<0.001)
・上方、下方、鼻側網膜厚は、術前(373.9、367.0、385.5)、2W後(361.6、359.4、383.4でp=0.009, p=0.05,p=0.64)、12M後(339.4、331.6、371.3でp<0.001,p<0.001,p=0.033)であった
・術後2W,12Mの全網膜野で、網膜厚の変化はMHの底部径、最少径と有意に相関していた
・大きなMHで網膜がより薄くなっており、網膜構造は動的に変化することが分った。(TY)

2018
62巻

急性緑内障発作後の網膜厚の変化

その他のジャーナル 62巻 (2号) 2018

Comparison of longitudinal changes in circumpapillary retinal nerve fiber layer and ganglion cell complex thickness after acute primary angle closure: a 12-month prospective study.
Jin SW et al(Korea)
Jpn J Ophthalmol 62(2): 194-200, 2018
・64例64眼の急性緑内障発作(APAC)後の乳頭周囲の網膜神経線維厚(cpRNFL)、ganglion cell complex(GCC)厚をRTVue-100で測定した。
・cpRNFLの平均値、上方部、下方部やGCC厚は発作眼で他眼よりも1週間後で厚かったが、12か月後まで徐々に薄くなっていた
・発作1週間後のcpRNFLとGCC厚と比較し、1M,3M,6M,12M後は有意に薄かった(TY)

2018
27巻

緑内障濾過手術における球後と点眼麻酔の比較

その他のジャーナル 27巻 (1号) 2018

A Comparison of Retrobulbar Versus Topical Anesthesia in Trabeculectomy and Aqueous Shunt Surgery
Alex Theventhiran et al (NY USA)
J Glaucoma 27(1):28-32, 2018
・緑内障手術でも球後麻酔が用いられる。点眼麻酔に比べて痛みの抑制という点では優れているが麻酔中の圧迫感や不快感があること、球後出血、眼球穿孔、視神経損傷、感染、CRAO、呼吸抑制、無呼吸や最悪死亡もありうる。
・また濾過手術後のwipeout or snuff syndromeにも関与するとの報告がある
・本論文では2名の術者が様々なタイプの濾過手術(チューブシャント含む)を行い、球後麻酔(RB)と点眼麻酔(テノン麻酔)(TA)とをレトロスペクティブに比較した。
・RB:5mgの2%リドカインと0.75%マーカインを1:1に混合したもの
・TA;40mgの2%リドカインを手術部位の結膜下に注射し、5mgの0.5%テトラカインの点眼
・再手術眼や濾過胞再建、痛みの出るようなNVG,Uveitis,緑内障発作眼は除外
・全体で225名261眼 女性57.5% 平均年齢69.6±13.68歳
・術者A:161眼 (TA 156眼、RB 3眼、全身麻酔 2眼)
              AGV 73眼、TLE(Fornix-base)28眼、Cat+TLE  36眼、Cat+AGV 24眼
・手術時間:Tube:40.82分、TLE:33.33分、Cat+Tube:55.05分、Cat+TLE:49.42分
・術者B:100眼 (TA  94眼、RB 5眼、全身麻酔 1眼)
AGV 8眼、BGI 5眼、TLE(limbal-base)49眼、Cat+TLE 35眼、Cat+AGV 3眼
・手術時間:Tube:45.42分、TLE:29.86分、Cat+Tube:56.67分、Cat+TLE:47.90分
・TAの8.1%、RBの3.1%で痛みを訴えた。有意差なし(P=0.180)
・平均痛みスコア(0-10)はTA3.96, RB2.66 (P=0.304)
・術中の静脈からの麻酔追加はRB群で少なかった(midazolam P=0.042, fentanyl P<0.001, propofol P<0.001) 総量も有意差あり(P=0.004) 術後の痛み止めの使用も少なかった(P<0.001)
・手術時間は術中の痛み止め追加と相関し(P<0.001)、術後の痛みとは相関しなかった(P=0.60)
・術者間の差はなかった
・若いほど、女性ほど、局所麻酔ほど痛みが強かった
・TAの方が痛みスコアや追加麻酔が必要であるが、その頻度は少なく、球後麻酔のリスクを考えると選択肢の一つであると考えられる。(MM)

2018
62巻

AC—OCTを撮影する際の内部固視灯の影響

その他のジャーナル 62巻 (1号) 2018

The effect of internal fixation lamp on anterior chamber angle width measured by anterior segment optical coherence tomogramphy
Sakari Nakamine, Tadayoshi Kaiya et al (Japan)
Jpn J Ophthalmol 62(1): 48-53, 2018
・22名のPACS患者の右眼をCASIA SS-1000を用いて内部固視灯のon/offで撮影した
・30秒間隔でoff→onで5回繰り返して検査
・固視灯のon/offにより隅角開大度が変化するが、上下方向の隅角の変化が大きい
・結論:内部固視灯をつけると対光反応と調節により縮瞳し隅角が開くため、暗所での隅角閉塞を見るためには内部固視灯を消して測定すべきである(MM)

2018
13巻

DSAEK後に角膜内皮細胞密度に影響を及ぼす要因

その他のジャーナル 13巻 (1号) 2018

Factors Influencing Graft Endothelial Cell Density after Descemet Stripping Automated Endothelial Keratoplasty
Mohammad Ali Javadi, et al. (Iran)
J Ophthalmic Vis Res. 2018 Jan-Mar; 13(1): 10–16.
目的:成功したDSAEKの後の角膜内皮細胞密度(ECD)に対するレシピエント、ドナー、手術、術後の因子を調べた。
対象と方法:DSAEKを受けた64人77眼。Fuchs角膜内皮変性症38眼(49.4%)、偽水晶体眼からの水疱性角膜症39眼(50.6%)。
結果:平均年齢は62.3±15.6歳、平均経過観察期間26.2±20.9ヶ月。 46眼(59.7%)は単独DSAEKを受けた。 31眼(40.3%)はDSAEK+白内障手術併用。
ドナーの平均角膜径8.0±0.21mm、ドナーの平均年齢30.4±11.2歳、術前内皮細胞の平均密度は3127.4±315.1  cells / mm2で、術後1788.6±716.5 cells / mm2に減少した(P <0.001)。術後平均細胞面積(684.2±349.2μm2;範囲311.2-1633.9μm2; P <0.001)および変動係数(36.7±7.2;範囲27.8-57.9; P = 0.03)、六角形出現率(52.2±11.9%;範囲は16.7-78.4%; P <0.001)の有意な低下が認められた。平均ECD損失率は43.3±21.4%であった。
平均中心角膜厚は579.5±43.1μm(範囲、502.0-666.0μm)であった。レシピエントの中央および移植片の平均厚さは、それぞれ477.1±47.2μm(範囲328.0-594.0μm)、102.4±31.6μm(範囲51.0-174.0μm)であった。平均術前BCVAは1.21±0.65logMARであり、術後0.43±0.30logMARに有意に改善した(P <0.001)。
術中に合併症はなかった。術後、局所的なグラフト解離2眼(2.6%)を認めたが自然治癒した。IOP上昇5眼(19.5%)、拒絶反応25眼(32.5%)0.1%ベタメタゾン点眼薬の頻回点眼治療し、最後の術後検査ではすべての角膜移植片が透明であった。 
重回帰分析では、術後ECDは、移植片の薄さ(β= 10.62、P = 0.003)および経過観察期間(β= -22.09、P = 0.001)を有意に関連していた。
結論:DSAEK後のECD減少の主な予測因子は、移植片の薄さおよび経過観察期間であった。視力改善するためには超薄型DSAEKドナー移植片が望ましいが、ECDに関しては厚い方が良い。(CH)

2018
13巻

下方網膜剥離に対する、うつ伏せ体位を併用しない硝子体手術

その他のジャーナル 13巻 (1号) 2018

Vitrectomy without prone positioning for rhegmatogenous retinal detachments in eyes with inferior retinal breaks.
Shiraki N, Sakimoto S, Sakaguchi H, Nishida K, Nishida K, Kamei M(大阪大)
PLoS ONE 2018;13(1): e0191531. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0191531

【目的】
裂孔原性網膜剥離(RRD)に対する硝子体手術(PPV)の解剖学的および機能的成果を、術後腹臥位をとる群ととらない群の間で比較
【対象と方法】
・原発性RRD患者142人の142眼、レトロスペクティブ
・全例に20%SF6ガスタンポナーデによるPPVを行い、術後に腹臥位を維持した群(65眼)と維持しなかった群(77眼)の2群に分け3か月以上追跡調査
【結果】
・初回復位率:
腹臥位を維持した群83.1%、
体位フリー群96.1%、有意差あり(p=0.011)
・下方に裂孔のある眼では、
体位フリー群の初回復位率は94.7%(18眼)で,
腹臥位を維持する場合の60%(6眼)より有意(p=0.036)に良好
・下方に裂孔がない眼では、
両群間で初回復位率に有意差なし
・術後3か月目の最高矯正視力は両群間に有意差なし
・腹臥位をとらない群では術後10眼(13.0%)に網膜上膜(ERM)を認めたが、内境界膜(ILM)を剥離した眼では術後にERMを認めず
【結論】
術後に腹臥位をとらないPPVは、RRD、特に下方網膜裂孔の眼の復位率が高くなることと関連する。術後に仰臥位および側臥位をとるPPVは、術中にILM剥離を行った場合、下方網膜裂孔を伴うRRDの管理に有効である可能性がある。(MK)

2017
71巻

アイバンク提供眼の眼球保存液におけるMRSA汚染の検討

その他のジャーナル 71巻 (10号) 2017

アイバンク提供眼の眼球保存液におけるMRSA汚染の検討
宮本静華他(順天堂大)
臨眼 71(10): 1549-1555, 2017
・8年間646眼の眼球保存液のMRSA汚染度を調査した。
・391/646検体(60.5%)で細菌が培養され、MRSAは60/646検体(9.3%)から検出された。
・MRSA陽性者の平均年齢は85.1±9.7歳で、陰性者の75.6±16.0歳より有意に高く(p<0.001)、死亡から強角膜片作成までの時間が13.7±4.9と11.7±5.5時間と有意に長く(p<0.007)、角膜内皮密度が2215±471と2460±524と有意に低かった(p<0.001)。(TY)

2017
58巻

PG製剤の長期使用中の患者の結膜細菌叢

その他のジャーナル 58巻 (10号) 2017

Conjunctival Bacteria Flora of Glaucoma Patients During Long-Term Administration of Prostaglandin Analog Drops
Shinichiro Ohtani, Kimiya Shimizu et al (Japan)
IOVS 58(10): 3991-3996, 2017
・宮田眼科で2014年2月から9月の間にPG製剤(キサラタンXa:36眼・トラバタンズTz:27眼)を少なくとも一年以上使用している患者63眼から採取(全て右眼)健常ボランティアHt:44眼と比較
・レボフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、セフメノキシム、トブラマイシン、クロラムフェニコール、エリスロマイシンに対するMICを測定
・Age:緑内障群:Xa 68.4±14.2  Tz 70.7±12.7  Ht 47.9±7.0*
・治療期間(M): Xa  82.9±29.2(12-251) *  Tz 29.2±15.9(12-67)*
・検出率:緑内障眼:90.5%(57/63眼) 健常群:84.1%(37/44眼)
・Xa、Tz、Ht群で比較するとXa群ではMRSEがMSSEより多かった
・Xa群は点眼期間が長いがそれを考慮して検定しても有意にTz群よりもXa群はMRSEの頻度が高い(OR=11.66:CI1.79-76.08, P=0.0102)メチシリン耐性には投与期間は重要ではないことを示唆
・薬剤感受性試験ではTz群とHt群は有意差なし、Xa群は有意に薬剤感受性が低かった
・多剤耐性はXa群:68%,Tz: 23%, Ht: 27%
・Xaに含まれる防腐剤BACに対する耐性が薬剤の交差耐性になったのではないか
・0.02%のBACは細菌のMICより高く、点眼瓶内の感染防止には有効だが、点眼後は涙液により5分後には10分の1以下に希釈され、その後も低くなっていく(MM)

2017
26巻

小児と成人緑内障に対するMP—TSCPCの成績

その他のジャーナル 26巻 (10号) 2017

Outcome of Micropulse Laser Transscleral Cyclophotocoagulation on Pediatric Versus Adult Glaucoma Patients
Jun Hui Lee, et al (UCSF, CA)
J Glaucoma 26(10): 3936-939, 2017
・2015/7-2016/12にUCSFで行われた12ヶ月以上フォローできたMP—TSCPC
・Pediatric 9 eyes/9 patients  Adult 27 eyes/ 25 patients
・球後または全身麻酔 2000mW 160秒/半周x2(上下)
・既往:Adult 27eyes: 5(Corneal transplant), 7(Tube shunt), 12(Cataract), 2(Filtering surgery)
・Pediatrics 9 eyes: 3(Lensectomy), 3(AGVor Molteno), 1(DSAEK)     (S-Wが4例)
・成績:翌日に中程度の炎症 65%
・小児で成績が悪い理由 
毛様体の回復が早い
プローブがLimbusより3mmなので小児では異なる可能性
小児緑内障の原疾患の違い
・結論:さらなるスタディが出るまでは小児においては他の方法までの繋ぎか、難治緑内障において注意して用いるべきである(MM)

2017
34巻

緑内障眼の傍視神経乳頭網膜分離症

その他のジャーナル 34巻 (8号) 2017

市岡伊久子 (島根)
あたしい眼科 34(8):1169-1177, 2017
緑内障症例で視神経乳頭近傍に網膜分離症をきたす症例があるが、検査した490人中1%の5例で認めた。
黄斑部に進展した例はなく、緩解、増悪を繰り返した。分離症の範囲はNFLの菲薄部に一致し、1眼でPitを認めた。3人では分離症に対応する視野障害が進行
さらなる眼圧下降により3人で分離症が軽減した。 cpRNFL測定では厚く測定されるので、注意が必要である(MM)

2017
10巻

日常瞳孔径を考慮した自覚的屈折検査の検討

その他のジャーナル 10巻 (5号) 2017

岩田 遙、半田 知也、石川 均、庄司信行(北里大)
眼科臨床紀要 2017;10(5):405-408
・屈折異常以外に眼科的疾患を有さない8-15歳(12.5±4.3歳)の42名42眼
・瞳孔径および自覚的屈折検査を施行
・片眼遮蔽条件:遮蔽板、両眼開放条件:Occulu-pad®(偏光フィルター)およびOCLUA(すりガラスレンズ)
・瞳孔径:片眼遮蔽条件は両眼開放条件と比較して有意に増大
・自覚的屈折値:片眼遮蔽条件は両眼開放条件と比較して有意に近視化
・両眼開放の2条件の間に有意差みられず
【結論】小児において、瞳孔径を考慮した両眼開放視力検査は有効である可能性が示された(MK)

2017
10巻

小児眼科領域におけるSPOT VISION SCREENERの使用経験

その他のジャーナル 10巻 (4号) 2017

小児眼科領域におけるSPOT VISION SCREENERの使用経験
羅錦榮他(帝京大)
眼臨紀10(6): 476-481, 2017
・2013年に米国小児眼科斜視学会により弱視リスクファクターARFを検出するガイドラインが提唱され、屈折異常、8プリズム以上の恒常性斜視、透光体混濁が危険因子とされた。
・これに沿って開発されたのがSpot Vision Screener(SVS)である。
・1歳未満は0.5%トロピカミド点眼、2歳以上は1%シクロペントレート点眼を使用した。
・使用有無により約2Dの差がみられた。
・成功率はこども園(0-6才)99%、小学校(1-3年生)99%、特別支援学校(小・中・高等部)36%。(TY)

2017
71巻

アクリルIOLの歪み

その他のジャーナル 71巻 (4号) 2017

白内障術後の水晶体嚢の収縮によりアクリル眼内レンズに眼球内部高次収差が発症した症例に対するNd-YAGによる前嚢切開
中村 充利(中村眼科・長崎)
臨床眼科 2017;71(4):523-529
・アクリル眼内レンズ(IOL)の挿入眼に生じた高次収差の増大の診断と治療法の報告
・細隙灯顕微鏡で明らかな傾斜や偏位などの位置異常を伴わない白内障術後症例に、波面収差測定で強い眼球高次収差の発生を認めたアクリルIOL挿入8症例8眼
・Nd-YAGによる放射状の前嚢切開術後に、波面収差測定器(KR-1W, TOPCON)で眼球高次収差を比較
【結果】アクリルIOL挿入眼に発生している眼球内部高次収差には、複雑なコマ収差、トリフォイル収差、テトラフォイル収差が認められた
・Nd-YAGによる前嚢切開術後、root mean square (RMS)(4mm)が有意に減少(術前0.673→術後0.374、p=0.019)
【結論】アクリルIOL挿入眼に生じる眼球内部高次収差の増大は、IOL挿入術後合併症のひとつであり、Nd-YAGによる前嚢切開で治療できる可能性がある
*8眼中2眼にYAG後5-6週でRMSの再上昇(術前の80%)→Nd-YAG再施行にて改善、その後NSAIDs点眼とステロイド点眼にて再発なし(MK)

2017
61巻

cpRNFLとGCIPLの緑内障進行パターン

その他のジャーナル 61巻 (4号) 2017

 Patterns of glaucoma progression in retinal nerve fiber and macular ganglion cell-inner plexiform layer in spectral-domain optical coherence tomogramphy
Her Jin Kim, Ki Ho Park et al (Korea)
Jpn J Ophthalmol 61(4) :324-333, 2017
初期から中期のPOAG患者114眼の緑内障患者の視神経乳頭写真とRed-free RNFL写真による構造変化と視野検査による機能変化により進行群と非進行群に分け、cpRNFLとGCIPLの進行度を調査したretrospective cohort study
平均観察期間3.16年 進行群のほうがベースライン時の眼圧、点眼数、DHの出現頻度が高かった
構造変化による分別:50/114例で進行群 機能変化による分別:40/114例 
進行群ではRNFLは-1.43μm/year, GCIPLは-0.46μm/yearであった
RNFLは平均値、6時と11時、deviation mapでの角度とエリア、GCIPLは耳下側と最小値で進行速度が早かった 黄斑マップでは耳下側と最小値をしっかり見たほうが良い(MM)

2017
61巻

DHを認めたPPGで視野異常が出るまで

その他のジャーナル 61巻 (4号) 2017

 Development of visual field defect after first-detected optic disc hemorrhage in preperimetric open-angle glaucoma
HJ Kim. et al (Korea)
Jpn J Ophthalmol 61(4): 307-313, 2017
87例のPPG患者をDHあり群42例(Group1)となし群45例(Group2)に分けて視野障害が発生するまでの期間を調査
Group2では1回のDHと複数回のDHで比較
Group1:73.3カ月、Gropu2:45.4カ月 中央値は37.8カ月であった(MM)

2017
30巻

全層角膜移植術と角膜内皮移植術の術後5年成績の比較

その他のジャーナル 30巻 (3号) 2017

小野喬叫 他 (宮田眼科病院)
眼科手術30 (3): 497-500. 2017
目的:水泡性角膜症に対する全層角膜移植術(PKP)と角膜内皮移植術(DSAEK)の長期成績を検討する。海外の文献だとフックス角膜内皮変性症の症例が多いので、違いが出るかもしれない為。
対象と方法: 1998年4月-2014年4月に水泡性角膜症に対してPKPを行った症例と、 2007年8月-2015年1月にDSAEKを行った症例を対象とした。水抱性角膜症の原疾患、累積透明治癒率、角膜内皮細胞密度、術後合併症について検討した。
PKP群は125例139眼、DSAEK群は86例97眼。
PKP群は白内障術後、緑内障発作によるものが多く、 DSAEK群は閉塞隅角、 フックス角膜内皮変性症によるものが多かった。(表2)
結果:術後5年の累積透明治癒率はPKP群73%、DSAEK群89%でDSAEKのほうが有意に高かった(p = 0.040)。(図1)
術後5年ECDはPKP群が717土368 /mm2. DSAEK群が800土483 /mm2で(p=0.84)。(図2)
角膜内皮細胞密度減少率は、術後5年でPKP群74.0%. DSAEK群71.6%だった。
術後5年間で PKP群では拒絶反応がl2眼(8.6%)、移植片離開が9眼(6.5%)、感染症5眼(3.6%)に発生に認められた。
DSAEK群では拒絶反応が4眼(4.1%)、術後早期の移植片脱落が4限(4.1%)に認められた。術後の感染症は生じず、拒絶反応による移植片不全は認めなかった。
結論:水抱性角膜症に対してPKPよりもDSAEKは術後5年において良好な累積透明治癒率であった。その理由として、移植片不全、拒絶反応の割合がDSAEK群では少なかった事、また感染症を認めなかった事と考えられる。角膜内皮細胞密度はPKPとDSAEKで差がなかった.
海外の文献と比べ、累積透明治癒率は同等もしくはやや不良、角膜内皮細胞密度減少率は高いという結果だった。(CH)

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