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Retina

2008
28巻

網膜静脈閉塞症に対するYAG治療

Retina 28巻(2号)2008

Restoration of retinal blood flow via translumenal Nd:YAG embolysis/embolectomy (TYL/E) for central and branch retinal artery occlusion.
Opremcak E et al(OH USA)
Retina 28(2): 226-35, 2008
・CRAO, BRAOは血小板フィブリン栓子、コレステロール片、カルシウム栓子などが網膜動脈分枝部に詰まって発生する。
・Hollenhorst plaque(コレステロール栓子)は時々、血管閉塞部にみられる。
・視力低下を来した19例にNd:YAG栓子溶解(TYL)、あるいは栓子除去(TYE)を行った。
・平均72歳(51-84歳)で、内頚動脈障害が9例にみられた。
・Nd:YAGで動脈内の栓子にNd:YAGレーザーを直接照射した所、8例では血管腔内で栓子は分割(embolysis)され、11例では動脈壁にできた小さな開口部から硝子体内へ栓子を排出(embolectomy)された。
・全例で網膜は再還流し、17/19例(89%)で視力は平均4.7列上昇した。
・11/19例(58%)では4列以上視力は上昇。
・1例では視力改善は得られず、他のもう1例は持続する硝子体出血のため1列視力低下した。
・7例で硝子体出血、1例で網膜前出血を来した。
・5例では機能評価のために、早期の硝子体手術を行った。
・TYL/Eの実施中の効果判定は栓子が動くか小さなbubbleが形成するかであり、通常は1mJである。
・この効果がでたら、そのパワーで数発行い、必要であればパワーを上げていく。
・施行パワーの中間値は1mJで、平均値は2.4mJ(0.3-9mJ)、発射数は平均55発(2-164発)、壁からの出血が起こった場合はレンズで圧迫した。

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