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Retina

2010
30巻

アバスチン注入後に網膜色素上皮裂孔を来たす症例の検討

Retina 30巻(2号)2010

Optical coherence tomography-measured pigment epithelial detachment height as a predictor for retinal pigment epithelial tears associated with intravitreal bevacizumab injection.
Chan CK et al(CA USA)
Retina 30(2): 203- 11, 2010
・PEDを伴ったAMDで、bevacizumab硝子体内注射後の網膜色素上皮裂孔を作りやすい要因について、OCT所見から検討した。
・2006.2~2007.2の間に7つの施設の9名の網膜専門医がStratus OCTを用いて血管を伴ったPED(vPED)について検討。
・2,890回の硝子体内注射を受けた1,255名1,280眼の中のvPEDの125眼について検討。
・RPE裂孔を来たした全vPED眼(Group1)と、3つ以上のvPED眼でRPE裂孔を来たさなかった眼(Group2)をランダムに選択。
・測定はPEDの高さ(μm)、容積(vPED高x表面積)、全黄斑容積、網膜下液、CME、中心窩厚、注射前後の最高視力。
・vPED眼125眼の21例21眼(16.8%)にRPE裂孔が発生。
・この21眼(Grp1)をランダムに選択した78眼のGrp2と比較した。
・vPEDの高さは、Grp1=648.9±245.0、Grp2=338.1±201.6μmで有意差があり(p<0.001)、vPED高が400μmを超えた場合、有意にRPE裂孔を作る可能性が高くなっていた。
・容積は、Grp1=9.3±6.3、Grp2=3.5±4.0mm3(p=0.001)、全黄斑容積は、Grp1=8.0±1.8、Grp2=7.4±1.2mm3(p=0.04)。網膜下液はGrp1でGrp2よりも有意に多かった(p=0.002)。
・Grp1の硝子体注射前後の視力は0.92logMAR(20/166)と0.84logMar(20/137)で有意差なし。
・多変量解析ではGrp1眼でRPE裂孔に有意に関連した因子はPED高だけであった(OR=0.995,  95%CI= 0.992-0.997, p<0.001)。

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