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Retina

2011
31巻

硝子体注射後の眼内炎の特異性

Retina 31巻(8号)2011

Endophthalmitis after intravitreal injection. The importance of viridans streptococci.
Chen E et al(IL USA)
Retina 31(8): 1525-33, 2011
・硝子体注入後の眼内炎の発症率、起炎菌、外来での発症率と手術室での発症率の比較を行った。
・2000/7~2010/7までのHuston網膜外来での眼内炎を、白内障や角膜移植術後などの術後のものと、硝子体注射後のものに分けて検討した。
・ただし、緑内障や外傷などは除外した。
・眼内炎は109例あり、術後が88例、注射後が21例であった。
・他施設の物などを除くと、Huston網膜外来では、33580回中13例の発症(0.04% 95%CI=0.02-0.07%)であった。
・最も多い起炎菌はブドウ球菌であったが、ヒト口腔内常在菌であるviridans streptococci(緑色連鎖球菌)の比率は注射群で手術群よりも3倍検出されており、この菌による注射後の眼内炎は、他の菌による注射後眼内炎より早期に発症し(p<0.001)、そして重篤な予後であった(p=0.004)。
– 参照–
Meta-analysis of endophthalmitis after intravitreal injection of anti-vascular endothelial growth factor agents. Causative organisms and possible prevention stratergies. McCannel CA(CA USA) Retina 31(4):654,2011
VEGF抗体注射後ではブドウ球菌が眼内手術後よりも約3倍多く、術中にマスクをすることによって避けうるのではないか。

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