Subretinal drusenoid deposits associated with pigment epithelium detachment in age-related macular degeneration
Florian Alten et al (Bonn, Germany)
RETINA 32: 1727-1732, 2012
・ARMDに二次的に生じた色素上皮剥離(PED)を有する患者の網膜下ドルーゼン性沈着物(SDD)の特徴を述べる。
・少なくとも片眼にARMDが原因で漿液性、ドルーゼン性、血管性PEDを有する104名208眼に共焦点SLO近赤外線リフレクタンスイメージ(820nm)を記録した。
・SDDは102名中55名(53.9%)に認めた。この55名中46名には両側にSDDがあった(83.6%)。SDDは右眼に51(50%)、左眼に50(49.0%)認められた(右のみ5,左のみ4,両46)。204眼中146眼ではARMDによるPEDがみられ、そのうちの111(76%)は血管性、35(24%)はドルーゼノイド。SDDの存在と関連していたのは年齢(P<0.0001)、女性(P=0.014)であったが、PEDのタイプとは関連なかった(P=0.174)。
・SDDはARMD由来のPEDを伴う眼には普通にみられ、共焦点SLOで容易に認められる。最も高頻度にみられたのは、中心窩の上方と上耳側アーケードであった。SDDの大きさは様々であり、25㎛から1,000㎛まで。検眼鏡的検査では軟性ドルーゼンと比較して少し白く見えた。
・血管性PED――FA上CNVが見られ、OCT上RPE隆起の下に網膜内・下液を伴う場合と無い場合がある。
漿液性PED――FA上、初期は背景螢光の影として見られ、後期で漏出も無く、色素上皮下空間に均一に染まる。OCT上RPE隆起の下に高反射は認めず、網膜内・下液に囲まれない。
ドルーゼノイドPED――FA上漏出は無い。RPE隆起の下に均一な高反射物質を伴い、網膜内・下液に囲まれない。
・SDDはARMDに特徴的だが、血管新生又は萎縮性ARMDに特徴的ではない。なぜならSDDはARMDの初期にも認められるからである。今回の調査でドルーゼン性と血管性PEDの間でSDDの広がりに明らかな差は無かった。しかし、GA(地図状萎縮)、CNV、PEDのある後期ARMD眼には多く見られると言われている。SDDはリポフスチン様物質と言われているが、原因はいまだに不明である。(YM)