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Retina

2013
33巻

層状黄斑円孔の新しい手術方法

Retina 33巻(6号)2013

Modified vitreous surgery for symptomatic lamellar macular hole with epiretinal membrane containing macular pigment.
Shiraga F et al(香川大)
Retina 33(6): 1263-1269, 2013
・層状黄斑円孔LMHはGass分類StageⅠのCMEの強くなった状態であるが、黄斑偽円孔PMHは網膜前膜(ERM)の求心性収縮によるものであり、OCTで容易に鑑別されるが、MichalewskiらはMPHがLMHに進展しうること、ERMの進展がMPHやLMHのいずれの要因にもなりうることを示した。
・通常、特発性LMHの予後はよいが、時に手術治療が必要になる場合もある。
・LMHの手術時にはERM剥離を行うが、黄斑色素を含んだERMがよくみられ、ERMはLMHの内側から発生してきたかのように見える症例もある。
・このことから、ERMは黄斑色素を含んでいるだけでなく、網膜組織の一部を含んでいる可能性もあり、Margherioらが述べたように、網膜前膜を中心窩に向って剥離すると黄斑円孔を発生する可能性が高い。
・26例26眼の連続するLMHとERMを伴った患者を対象にして調査した。
・術前にSD-OCTを用いて、LMHの定義通り、中心窩の網膜内層が外層から離れているかどうかを確認した。
・20/26眼では術中にERMが黄斑色素を含んでいることが分かり、その場合、新しい手術方法を用いた。
・術前にもOCTでERMが厚い場合はMPを含んでいることが推測できた。
・新しい術式は、必要な場合はKenacort-Aを用いて後部硝子体膜を剥離後、MPを含んだERMを剥離するが、LMHの辺縁までとし、辺縁のERMは残したままとし、backflush針でそれを反転してLMH上にかぶせる。
・その後、BBGを利用したILM剥離をその周囲に行うが、LMH上に被せたERMには触れないようにする。
・空気置換をし、24~48時間のうつ伏せを行った。結果は15/20眼で黄斑形状が正常に回復し、3/20眼では不整に回復、2/20眼では層欠損が残った。
・翻転した組織にはMPの他にグリア組織も含まれており、形状回復に寄与しただろう。(TY)

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