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Retina

2014
34巻

2%リドカインによる硝子体内注射後眼内炎の予防

Retina 34巻(5号)2014

Antibacterial properties of 2% lidocaine and reduced rate of endophthalmitis after intravitreal injection.
Tustin A et al(GA USA)
Retina 34(5): 935-942, 2014
・結膜下への2%リドカイン/0.1%メチルパラベン(リドカイン)の注入が硝子体内注射後の眼内炎の頻度を減らすかどうかを検討するため、in-vitroの実験でリドカインが眼内炎を引き起こす菌に対して抗菌的な作用があるかどうかを検討した。
・リドカインはグラム陽性、陰性、抗酸菌、糸状菌の増殖を抑えることが知られている。
・眼内炎患者から取り出した黄色ブ菌、表皮ブ菌、緑色連鎖球菌をリドカインが入ったものと入らない培養液で10,30,120,240分培養し、コロニー数を24時間後に数えた。
・リドカインは3つの菌に対して抗菌的に働いており、10分間の暴露でコロニー数をそれぞれ、90%(p<0.01)、95%(p<0.001)、92%(p<0.001)減少させ、30分後にはそれぞれ、98%、100%、100%であった。
・臨床例では、15,042回の硝子体内注射で眼内炎は8例発症(0.05%)したが、結膜下へリドカイン0.5mlを注射後5分以上待ち、blebを通して硝子体内へ注射した群では眼内炎の発症頻度は0/6,853で、しなかった群では8/8,189(0.1%)であった。
・2%キシロカインE注射液(メチルパラベン0.1%)、2%リドカイン注射液(パラオキシ安息香酸メチル0.05%)、0.5%マーカイン注射液(メチルパラベン0.08%)。(TY)

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