Multilayered pigment epithelial detachment in neovascular age-related macular degeneration.
Rahimy E et al(NY USA)
Retina 34(7): 1289-1295, 2014
・硝子体内抗VEGF薬治療を数回にわたって受けた34例38眼の慢性線維血管性網膜色素上皮剥離PED所見についてOCTで経過を追った。
・PED内の独特の構造を解析し、視力との関係をみた。
・38眼の視力は20/50(20/20-20/400)で、平均28.2回(中間値23回、3-70回)の抗VEGF注射を受けており、平均36.9か月(中間値37.5、6-84か月)経過を追った。
・紡錘状、あるいは糸巻き状で、系統的になった層状の高屈折帯がPED内に見られた。
・19例では不均一で拡張した新生血管組織がRPEの下表面に見られたし、25眼では脈絡膜新生血管を分離するような低反射空間が見られた。
・多数回の抗VEGF注射を受けた眼では特徴的な紡錘形の組織化され”多層PED”と名付けられるような層状の高屈折帯が網膜色素上皮下に見られる。
・これらの帯は収縮した線維組織複合体と考えられる。
・その脈絡膜側に接触して低屈折空間”前脈絡膜裂隙”が、多分、収縮や液成分の浸出によって発生する。
・これらの多くは視力が良好で、その理由は新生血管や瘢痕性過程が網膜色素上皮下腔内で抗VEGF薬によって抑制されるからであろう(図)。(TY)