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Retina

2015
35巻

網膜剥離に対する硝子体手術後に起こりうる意図せぬ網膜ずれを減少させる方法

Retina 35巻(4号)2015

A method to decrease the frequency of unintentional slippage after vitrectomy for rhegmatogenous retinal detachment
Shiragami C, et al.(香川大)
RETINA 35(4)758-763, 2015
【目的】裂孔原性網膜剥離の硝子体手術後に起こりうる網膜ずれを防ぐ方法を探る
【対象と方法】胞状網膜剥離に対して標準的な硝子体手術(SF6ガス併用)を施行し成功を収めた86眼。時期により2群に群分け;【グループ1】手術終了後、帰室してから(手術終了後約10分)うつむき開始(44眼;2006.12-2008.7)、【グループ2】手術終了後、手術室ですみやかにうつむき姿勢をとって帰室(42眼;2008.8-2010.11)。
・手術1か月後に眼底自発蛍光で網膜ずれを評価。
【結果】網膜ずれはグループ1で28眼(63.6%)、グループ2で10眼(24.0%)であった(P=0.004)。ロジスティック回帰分析では、網膜ずれは網膜剥離の程度(P=0.029)およびうつむきをはじめた時間(P<0.001)と有意な関連があった。
【結論】裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術の際、術後すみやかにうつむき姿勢をとることで網膜ずれを防ぐことができるかもしれない。(MK)

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