PERSISTENT CORNEAL EPITHELIAL DEFECT AFTER PARS PLANA VITRECTOMY
HSI-FU CHEN, et al. (Taiwan)
RETINA 36(1):148-155,2016
目的:硝子体手術後の持続する角膜上皮欠損(PCED)の発生率、リスク要因、臨床経過を調査した。
対象と方法:2008年から2011年に硝子体手術を施行した460眼。
PCEDは従来の治療にも関わらず2週間以上続く角膜上皮欠損、角膜浮腫、点状表層角膜炎と定義した。
結果:全体の角膜合併症は96人103眼(22.4%)、その内PCEDは21眼(4.6%)だった。
103眼のうち、29眼に上皮欠損を認めた。その内、24眼は術後1日目から発症。1眼は術中に発症、5眼は術翌日以降に発症(平均20.2日)した。29眼中8眼は2週間以内に治癒した。(平均8.8日)
その他のPCEDとなった21眼中10眼は4週以内に治癒、11眼は治癒に平均61.9日かかった。
11眼中5眼は感染性角膜炎になった。(1眼眼内炎、4眼ヘルペス)、11眼中7眼に角膜混濁が残った。
4週間以上のPCEDが感染性角膜炎と角膜混濁と結びついていた。
視力は表5の通りで、PCEDで最終視力が悪かった。
多変量解析でPCEDと関連するリスク要因はDM、C3F8、若い医師の手術だった。空気、SF6に関連はなかった。
長期間眼内にあるガスは内皮に毒性、角膜異常を誘発するかもしれない。
結論:硝子体手術後のPCED発生率は4.6%だった。リスク要因はDM、C3F8、若い医師の手術だった。4週間以上続くPCEDは角膜混濁やヘルペスと関連していた。
悪い結果を防ぐため、早い、積極的な治療が必要である。(CH)