Relative quiescence of exudative age-related macular degeneration after resolution of postinjection endophthalmitis.
Arnett JJ et al(PA USA)
Retina 40(9): 1719-1723, 2020
・滲出性AMDに対する抗VEGF薬の硝子体注入後に発生した眼内炎21例について、その後の経過について検討した。
・2006年11月から2018年4月の間に眼内炎の発症は34例で起こったが、13例が除外された。
・理由は1か月以内の通院中止、眼内炎発症前の併存疾患のための強い視機能低下、眼内炎による重症の眼球障害(眼球摘出や光覚弁消失など)、硝子体注入によるものではないと考えられる眼内炎などである。
・除外されなかった21例の平均年齢は81.4(63-97)歳で、抗VEGF注射後平均3.7日(1-13日)後に眼内炎を発症していた。
・抗菌剤治療の他に11例ではステロイドの硝子体内注入、2例では硝子体手術を行っている。
・経過を調査すると、7例(33%)は有意(p>0.05)な視力低下はなく、滲出性AMDが軽快したために12か月後も抗VEGF治療は行っていない。
・抗VEGF治療を開始した人でも、眼内炎後は抗VEGF治療回数が32%減(12か月後)、38%減(24か月後)となった(いずれもp<0.05)。
・眼内炎後の最初のOCTでは、10例は黄斑厚の変化はなかったが(p>0.05)、脈絡膜新生血管の活動性は低下していた。
・眼内炎の発症と軽快は脈絡膜新生血管の活動性を低下させ、抗VEGF治療回数が減ることがわかった。(TY)