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Retina

2022
42巻

黄斑円孔手術でのILM剥離の影響

Retina 42巻(12号)2022

Internal limiting membrane peeling distorts the retinal layers and induces scotoma formatin in the perifoeal temporal macula.
Atao J et al(China)
Retina 42(12): 2276-2283, 2022
・黄斑円孔患者でのILM剥離が網膜機能に影響を及ぼすかどうかを検討した。
・45例55眼で全例、黄斑円孔は閉鎖しており、最低6カ月の経過を追えた患者で検討した。
・中心20度で、MP3でのmicroperimetryと中心6x6mmでのOCTAで検査した。
・網膜感度は傍中心窩耳側のETDRS領域では有意に低下していたが(24.97±2.67から19.98±5.68 p=0.001)、他の領域では低下していなかった。
・6例(13%)では24個の暗点が見つかり、そのうち62.6%では傍中心窩耳側であった。
・解剖学的には網膜外層の隆起がみつかり、同部位の網膜内層の窪みが傍中心窩の耳側部位に多く見つかった(76.8%)。
・この網膜外層の隆起の発生頻度は暗点のある群ではない群よりも有意に多かった(83%:18% p=0.014)。
・ILM剥離は網膜層の変形を来し、傍中心窩耳側の機能低下、暗点を来すことがわかった。
・Muller細胞はILMからOLMまで続いており、中心窩ではZ型をしているが、中心窩以外では直線的で器械的な力に対して弱くなっているため、ILM剥離が行われるとその足部分が障害され、gliosisが始まり、内境界膜の窪みに引っ張られた形でONLの凸が発生し、感度低下が起こるのであろう(TY)

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