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Retina

2023
43巻

タンポナーデを使わないMH手術

Retina 43巻(4号)2023

Macular Hole Closure Without Endotamponade Application
Marcin Stopa et al. Retina 43(4): 688-691, 2023 (Poland)
・PFC使用下でILM剥離を行い、MHの上に被せたのちに凝集性粘弾性物質を乗せて空気置換せずに終了。術後は翌日まで運動を避け仰臥位でいるように指導。
・結果:12名(男性3名、女性9名)、平均年齢68±4.86歳
・大きさ: Large 8眼、Medium 3眼、Small 1眼 
・平均最小MH径 441.25±160.02(140-715)μm
・12名中11名(91.7%)は円孔閉鎖が得られた。1名は翌日にILM-flapの接着が確認できずFluid-Air Exchangeを実施した。この患者は術後の行動抑制を守っていなかった。
・眼圧上昇や白内障の発症はなく、術翌日から視力やOCT評価が可能であった
・MHの閉鎖には硝子体腔と円孔内の液体の流れが阻害され、ILMを足場としてグリア細胞が遊走すれば良いと考えられる。
・ガスによる浮力は必要でないと考えられているが、表面張力も必要でないかもしれない。
・11眼中7眼がLarge MHであったので、この方法はさまざまなサイズのMHに対応できると思われる。
・PFCを使うことでILMの固定がより確実にコントロール可能であった。(MM)

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