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Retina

2024
44巻

黄斑円孔に対する点眼治療の効果

Retina 44巻(3号)2024

Full-thickness macular hole closure with topical medical therapy.
Wang J et al(IL USA)
Retina 44(3): 392-399, 2024
・点眼治療で黄斑円孔が閉鎖した症例について検討した。
・2017-2022に治療した168例の黄斑円孔のうち、71例はステロイド(プレドニゾロン点4×1など)、炭酸脱水素酵素阻害剤(ブリンゾラミド点3×1など)、NSAID点眼薬(ブロムフェナク点4×1など)で治療を開始した。
・22例は脱落したが、49例(平均年齢67歳 59%が女性)について解析した。
・7/49例は硝子体手術PPV後の2次的なMHで、42/49例は特発性MHである。
・結果、18/49例(36.7%)は点眼治療で閉鎖し、このうち13例は特発性MHであった。
・円孔径が密接に閉鎖に関与しており、円孔径が10μm小さくなるにつれ、閉鎖確率は1.2倍(CI=1.1-1.4 p=0.001)になった。
・面白いことに黄斑前膜の存在は、点眼薬治療での円孔閉鎖とは相関がみられなかった。
・閉鎖にかかった時間は107.2日(20~512日)であり、円孔径とは関連がなかった(CI=-0.478~+1.938 p=0.217)。
・硝子体黄斑牽引VMTの存在は閉鎖に対して逆相関があった(OR=6.1 CI=1.2-31.3 p=0.029)。
・最初から硝子体手術PPVを選択した人と、PPVを選択する前に点眼治療を行った人との間には最終の最高視力には関連がなかった(p=0.318)(TY)

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