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Retina

2024
44巻

網膜剥離手術前の両眼帯の効果

Retina 44巻(4号)2024

Bilateral eye patching may improve clinical outcomes for acute primary rhegmatogenous retinal detachment.
Tang PH et al(MN USA)
Retina 44(4): 591-600, 2024
・裂孔原性網膜剥離RRDに対する術前の両眼帯BEPが網膜剥離と視力に与える影響を、retro-spectiveに335例について検討した。
・手術までのfull-time両眼帯を遵守した割合で、高遵守(≧90%)、中度遵守(>90%,≧50%)、低遵守(<50%)、Ctrl群に分けた。
・遵守群の240例を、95例のCtrl群と比較した。
・網膜剥離の状態を手術直前に評価した所、高遵守で64%、中遵守で35%と、低順守の4%、Ctrlの3%に比して、有意に下液減少がみられた(p<0.01)。
・黄斑剥離の症例での黄斑再接着の比率は、高遵守29%、中遵守8%で、低遵守の2%,Ctrlの1%よりも有意であった(p<0.01)。
・術後最終視力については、黄斑ON症例では遵守の影響はなかったが、黄斑OFF症例では高遵守はlogMAR=0.30(小数点0.5)であり、低遵守のlogMAR=0.40(0.4 p=0.04)、CtrlのlogMAR=0.60(0.25 p=0.02)より有意に良かった。
・術前の両眼帯を50%以上の時間、遵守することは術後視力に有意義であることがわかった。
・RDの診断から手術までのどの程度の遵守時間が最大の効果があるかについては検討していないが、3日を過ぎると遵守度が悪くなっていた。(TY)

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