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Retina

2024
44巻

急性期のVogt小柳原田病の強膜の厚さの変化

Retina 44巻(8号)2024

CHANGES IN SCLERAL THICKNESS IN THE ACUTE PHASE OF VOGT-KOYANAGI-HARADA DISEASE
RETINA 442024
AYANO OSHIRO et al(琉球大)
前眼部OCT(CASIA2;Tomey)を用いて急性期の原田氏病眼の強膜の厚さと毛様体脈絡膜滲出液の変化を調べた初めての論文
<方法>治療未経験の原田氏病患者17名34眼のステロイド治療開始後に、前眼部OCTを用いてベースライン・1週間後・2週間後・12週間後の強膜の厚さと毛様体脈絡膜滲出液の変化を調べた。
・強膜の厚さは、OCT画像の強膜岬から直線で6mm後方の強膜表面を、各外眼直筋4方向から測定した。
・脈絡膜厚はB-scan OCTで、中心窩の網膜色素上皮線から脈絡膜‐強膜境界面間の長さを測定した。
<結果>
・28/34眼(82.4%)に毛様体脈絡膜滲出液を認めた。
→毛様体脈絡膜滲出液のある症例の強膜の厚さはベースラインから1週後までが最大値となり、以後急速に減少した。
→毛様脈絡膜滲出液のない症例の強膜の厚さは全期間で有意な変化はなかった。
・漿液性網膜剥離はベースラインで28/34眼(88.2%)にみられた。
・脈絡膜の厚さは1週間後以降から減少し続け、12週間後には消失した。
<結論>原田氏病の急性期には毛様体脈絡膜滲出液が存在する頻度が高く、その場合は強膜の厚さが最大値になる。
その後、治療により強膜の厚さは減少する。 (AM)

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