Intravitreal anti-vascular endthelial growth factor therapy with pegaptanib for advanced von Hippel-Lindau disease of the retina.
Dahr SS et al(ML USA)
Retina 27(2): 150-8, 2007
・von Hipple-Lindau (VHL)病の強い浸出のある患者5名で pegaptanib 3mg/0.1mlを6週間毎に最低6回、硝子体内注入を行い、有効であった
No association of complement factor H gene polymorphism and age-related macular degeneration in the Japanese population.
Uka J et al(広島大)
Retina 26(9): 985-7, 2006
・complement factor H(CFH)の遺伝的多形が日本人のAMDに関連しているかどうかを検討。
・日本人のAMD 67名と107名のコントロールで、exon 9上にある TT/TC/CC 遺伝子型を調べた。
・AMD群のCFH遺伝子型(TT=76%, TC=19%, CC=5%)と、コントロール群(TT=80%, TC=17%, CC=3%)には有意差はなかった。
・対になる遺伝子のうちのTとCのalleleの頻度は、AMDでは A=86%, C=14%、コントロールではA=89%, C=11%であり、日本人では CFH遺伝的多形がAMDとは関連がなく、また、日本人ではC対立遺伝子の頻度は少なかった。
Combined photodynamic therapy with verteporfin and intravitreal bevacizumab for choroidal neovascularization in age-related macular degeneration.
Dhalla MS et al(USA)
Retina 26(9): 988-93, 2006
・AMDによる傍中心窩ならびに中心窩下CNVに対して、PDTと硝子体内bevacizumab 1.25mg注入の両者を14日以内に行なった24眼の7ヶ月経過観察。
・全例が初回治療である。
・7ヶ月目の視力変化では、67%は改善、17%で悪化。
・全例の平均視力は Snellen で2.04 line上昇。
・63%では追加治療は不要であり、全例で副作用はなかった。
Visual improvement following intravitreal bevacizumab(avastin) in exudative age-related macular degeneration.
Yoganathan P et al(NY USA)
Retina 26(9): 994-8, 2006
・浸出性AMDに対し硝子体内アバスチン 1.25mg(0.05ml)注入を行なった48例50眼につき、20-50週(平均34週)経過観察。
・36眼(72%)は以前にMacugen,PDTなどの治療を受けており、14眼(28%)が無治療。
・ETDRS chartでの視力は、avastin治療の4週間後は6.5文字上昇(p<0.001)、24週後は5.3文字上昇(p<0.001)。
・24週後の視力は、無治療群では 14.2文字、既治療群では2.8文字上昇。
・最終経過観察日のOCTの平均黄斑厚みは73μm減少、平均黄斑容積は1.0mm3減少(いずれもp<0.001)。
・平均3.5回の注入で、再発は平均1.08回であり、重篤な視力低下や副作用はなかった。
・以前にMacugen治療やPDT治療を受けていない方が、avastin治療効果は大きかった
Photic retinopathy after cataract surgery in diabetic patients.
Getinkaya A et al(Turkey)
Retina 26(9): 1021-8, 2006
・2573例の白内障手術の中に、術後の光障害(PR)は16例(0.62%)、DMは382例(14.85%)あった。
・PRの内、7例(43.75%)はDMであり、PRはDM者では非DM者よりも有意に多かった(7/382 vs 9/2191, p=0.001)。
・PR発生者の平均手術時間はDMでは 29.9±9.9分、非DMでは 38.2±5.3分であった。
・PRで視力障害を来たしたものはなかったが、DM者では光障害に弱いことを認識すべきである
A method to free retina and vitreous from intraoperative incarceration in the sclerotomy.
Stopa M et al(NC USA)
Retina 26(9): 1070-1, 2006
・1mlか3mlの注射器に雌雌アダプターをつけて、強膜創にかぶせて、水圧で戻すのが良い。
・注射器先端の内径は 1.8mmであるが、雌アダプターの内径は 3.8mmである
Avastin and new treatments for AMD: where are we? (Editorial)
Freeman WR et al(CA USA)
Retina 26(8): 853 -8, 2006
・2000年に始まったAMDに対するVisudyne治療は、視力が0.1どまりで、満足できるものではない。
・2005年にMacugen治療が始まったがこれも2年にわたって6週おきに注入してもやはり視力は0.1止まり
・Avastin(bevacizumab), Lucentis(Ranibizumab)は 視力を改善させる最初の薬であり、AMDの初期に使用すれば視力0.5以上が得られ、またAvastinは安価である。
・MacugenやPDTは1回に$1,000で全部で1眼$20,000になる。
・Lucentisも1回$2,000で、2年間使用すれば総計$48,000になる。
・Lucentisは米国では2006.6.30にFDA認可されたが、LucentisとAvastinの比較資料はまだなく検討が必要。
・Avastinの分子量は 149,000で、Lucentisは 48,000と1/3であり、網膜全層に浸透しやすい。
・網膜へ浸透する分子量の限度は70,000といわれているが、浮腫のある網膜ではAvastinも十分浸透しうる
・Lucentisは障害が少く、浮腫の少ない網膜では有利だし、分子量が少ないことでぶどう膜炎の発症も少ないだろう。
・ただ、Avastinは安価で治療回数が少なくてすみそうである。
Outcomes of macular hole surgery and shortened face down positioning.
Wickens J et al(MI USA)
Retina 26(8): 902-4, 2006
・黄斑円孔手術でILM剥離を行なった場合にはうつ伏せ期間が少なくて済むかどうかを検討。
・21名21眼で、triamcinoloneを使用したILM剥離、16%C3F8か、25%SF6ガスを注入。
・術後3日間は1日最低8時間のうつ伏せをし、後の時間は上向きで寝ることだけを避けさせた。
・解剖学的な復位は20/21眼でえられ、他の1眼も2度目の手術と同様の術後管理で復位した
Use of dorzolamide for patients with x-linked retinoschisis.
Apushikin MA et al(IL USA)
Retina 26(7): 741-5, 2006
・X-linked retinoschisisで中心窩にチスト病巣のある8例で、点眼ドルゾラミドが有効かを検討。
・2%ドルゾラミド点眼で、7/8例では中心窩厚みの著減がみられた。
・1ヵ月後、4例では両眼、1例では片眼で減少。
・その後の1ヶ月から2ヶ月の点眼続行で、更に2例で中心窩厚み減少。
・これらの7例の内、5例では視力改善も得られた
Long-term outcomes of internal limiting membrane peeling with and without indocyanine green in macular hole surgery.
Kumagai K, Ogino N et al(宮崎)
Retina 26(6):613-7,2006
・黄斑円孔手術でILM剥離をICGを使用した群と未使用群とで長期予後を比較した。
・94眼の未使用群と96眼のICG(0.1%)使用群で、成功率は両群とも99%。
・2-3年経過を追ったが、両群間に解剖学的ならびに視力に有意差はなかった
Indocyanine green-assisted internal limiting membrane peeling for macular holes. Toxicity?
Mavrofrides E et al(FL USA)
Retina 26(6):637-44,2006
・黄斑円孔手術でICG使用の87例と未使用の77例で検討。
・初回手術で閉鎖はICG使用群87%、未使用群83%。
・ICGを使用しても視力の改善が悪くなるわけではない。
・報告されているICG毒性は臨床的には有意性がなさそうで、ILMが有効に剥離できないときにはオプションとしてICGは使用すべきであろう
Use of intravitreal bevacizumab as a preoperative adjunct for tractional retinal detachment repair in severe proliferative diabetic retinopathy.
Chen E et al(PA USA)
Retina 26(6): 699-700, 2006
・最近、Avastin硝子体内注入はVEGFの関与した眼内新生血管(AMD、DM網膜症)に対して有用であることが分かってきた。
・視神経乳頭を含む隆々とした網膜新生血管、網膜前新生血管膜、牽引性網膜剥離のある27歳男性に対し、硝子体手術の術前処置として、異常血管を減らし、術中出血のリスクを減らすためにAvastin 1.25mg/0.05mlを硝子体内に投与した。
・2週間後には新生血管膜がほぼ無血管の増殖膜に変化したため、硝子体手術を施行。
・手術1ヵ月後の視力は20/400から20/70に改善。
Macular degeneration: the latest in current madical management.
Lim JI(CA USA)
Retina 26(6S):S17-S20, 2006
・VEGF抗体 rhuFab(Lucentis)のphaseⅡでは、53人が300か500μgを4週おきに硝子体内注射を受け、94%で不変か改善であった。
・PhaseⅢ(ANCHOR, MARINA, FOCUS trial)
・ranibizuma(Lucentis)の1年後にANCHORでは94%(0.3mg),96%(0.5mg)で不変か改善であるのにPDTでは64%。1年後のMARINAでは95%で不変か改善。
・Bevacizumab(Avastin):抗VEGF抗体)は静注で高血圧、血小板閉塞の合併症が発生するが、PDT不適とされたAMD患者に対しての全身投与(SANA trial)では、視力が有意に改善し網膜厚が減少したが、10/18で高血圧を発症。
・硝子体内注入がかなり広く行なわれている
Newly recognized serous macular detachment in retinal vascular disease (Editorial)
Kokame GT et al(USA)
Retina 26(5):493-4,2006
・漿液性黄斑浮腫は最近、網膜血管漏出を伴う多くの疾患で見られることが分かってきた。
・DM、BRVO、CRVO、低眼圧黄斑症などであるが、臨床的にはFAGでもこの漏出はわからず、OCTで初めてわかるようになった。
・黄斑浮腫に漿液性網膜剥離がともなったものはDM黄斑浮腫では15-46%、BRVOでは37.8-71.4%、CRVOでは82%に上る
・漿液性網膜剥離があると光凝固の効率が落ち、BRVOではグリッド光凝固による黄斑浮腫の軽減や視力回復が悪くなるので、要注意
・RPEのポンプ作用を刺激するacetazolamideが漿液性網膜剥離を消腿させるのに有効
・硝子体内へのステロイドや抗VEGFの注入も効果的
Short-term safety and efficacy of intravitreal Bebacizumab(Avastin) for neovascular age-related macular degeneration.
Rich RM et al(FL USA)
Retina 26(5):495-511,2006
・硝子体内アバスチン注入が新生血管ARMDに有効か如何かを3ヶ月間の経過で検討。
・50人53眼に平均2.3回注入。最高は4回。
・大きな副作用はなく、視力、中心網膜厚の改善は1週間目で発現し、3ヶ月は持続。
・3ヶ月間で視力は20/160から20/125(p<0001)、中心網膜厚は99.6μm減少(p<0.001)。
・3ヶ月という短期間の経過観察であるが、硝子体内アバスチン注入は新生血管ARMDに対する最もcost effectiveな方法であろう
Six-month stability of Bevacuzumab(Avastin) binding to vascular endothelial growth factor after withdrawal into a syringe and refrigeration or freezing.
Bakri SJ et al(USA)
Retina 26(5):519-22,2006
・Avastinを4℃の冷蔵で1週間から6ヶ月保存、あるいは冷凍した場合の活性の変化を測定した。
・4℃冷蔵の場合、1週間(1.6%)、3週間(0%)、3ヶ月(8.8%)、6ヶ月(15.9%)活性が低下。
・-10℃で冷凍の場合、6ヶ月で12.0%活性が低下した。
Retinal toxicity of intravitreal triamcinolone acetonide.
Yu SY et al(MA USA)
Retina 26(5):531-6,2006
・有色rabbit網膜に対する硝子体内TAの形態学的影響について検討。
・0.1mlで、0.5mg,1mg,4mg,8mg,20mgのTAを硝子体内注入し、14日後の網膜を光顕と電顕で調べた。
・1mg以下では変化はなかった。
・4mg以上では視細胞外節の破壊、網膜下腔にマクロファージ様細胞が遊走していた。
・20mg注入群では更に強い障害があり、RPE細胞に色素顆粒が増加し、細胞質内に大きな油滴がみられた。
・長期にわたる更なる検討が必要である
Intravitreal bevacizumab treatment of choroidal neovascularization secondary to age-related macular degeneration.
Spaide RF et al(NY,USA)
Retina 26(4):383-90,2006
・Bevacizumab(Avastin)をAMDのCNV患者266名266眼に硝子体内注入(1.25mg)
・平均年齢 80.3歳、平均治療前視力 20/284。
・175例(69.7%)は、その他の治療には反応しなかった
・平均視力と視力改善者数(視角が半分以下に改善)
1ヵ月後(244例):20/137(p<0.001改善)、74例(30.3%)
2ヵ月後(222例):20/122(p<0.001改善)、78例(31.1%)
3ヵ月後(141例):20/109(p<0.001改善)、54例(38.3%)
・中心窩網膜厚み:投与前 340μm
1ヵ月後 247μm(p<0.01)、3ヵ月後 213μm(p<0.01)
・1ヵ月後に2例、2ヵ月後に1例が軽度の硝子体炎
・眼内炎、眼圧上昇、網膜裂孔、網膜剥離の発生はなし
・3ヵ月間の経過観察では、副作用はなく、視力が改善し黄斑厚みが減少した
Testing intravitreal toxicity of Bevacizumab(Avastin).
Electrophysiologic and retinal peretration studies following intravitreal injection of Bevacizumab(Avastin).
Manzano RP, Shahar J(2編)
Retina 26(3): 257-69, 2006
・2.5mg(albino rabbits)の硝子体内注入で副作用はなかった
Intravitreal Bevacizumab(Avascin) treatment of macular edema in central retinal vein occlusion. A short-term study.
Iturralde D et al(NY USA)
Retina 26(3): 279-84, 2006
・CRVOによる黄斑浮腫16眼に1.25mg/0.05mlのAvastinを少なくとも1回、平均2.8回、硝子体内投与。
・平均年齢76.1±9.8歳。
・このうち9眼は、その前にtriamcinolone硝子体内投与を行なっているが、効果はなかった。
・Avastin投与による副作用はなく、平均網膜中心厚みは887μが1ヵ月後に372μに減少(p<0.001)。
・平均視力は20/600(logMAR=1.48)が、1ヵ月後に20/200(logMAR=1.05)に上昇(p<0.001)。
・16例中14眼で視力上昇が得られた