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Retina

2017
37巻

網膜剥離硝子体手術時に網膜下液は残してもよいか?

Retina 37巻 (3号) 2017

Complete subretinal fluid drainage is not necessary during vitrectomy surgery for macula-off rhegmatogenous retinal detachment with peripheral breaks. A prospective, nonrandomized comparative interventional study.
Chen X et al(China)
Retina 37(3): 487-493, 2017
・54例54眼の黄斑部の剥がれた裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術で下液排出を完全に行ったもの(Complete subretinal fluid drainage:CSFD)と一部残したもの(PSFD)で結果を検討した。
・いずれも14%C3F8ガス注入を行っている。
・1回の手術で成功した率はCSFDは16/18(88.9%)、PSFDは33/36(91.6%)で有意差はなかった(p=1.00)。
・術後6か月目の最高視力もETDRSで26.50±15.43:22.64±15.43で有意差はなかった(p=0.43)。
・このことから、下液を完全に抜く必要はないと考えた。
・PSFDでは術中に1.81±0.71象限に下液が残存していた。
・手術時間はCSFDが61.17±5.56分、PSFDでは47.97±4.98分であった。(TY)

2017
37巻

中心性漿液性脈絡網膜症の予後と自発傾向

Retina 37巻 (3号) 2017

The effect of photopigment bleaching on fundus autofluorescence in acute central serous chorioretinopathy.
Choi K et al(Korea)
Retina 37(3): 568-577, 2017
・41例41眼の中心性脈絡網脈症CSCにおいて、眼底自発蛍光FAFに対する視色素褪色効果をOptomap 200Txを用いて検討した。
・褪色はHeidelberg Retina Angiograph 2を用いて行ない、褪色程度はOptomap画像のgrayscale値を用いた。
・褪色後に正常の自発蛍光に変わるが、褪色前には過AF部をもつType1、褪色後も自発蛍光の変わらないType2に分けた。
・FAFのタイプも”diffuse”と”mottled”に分けた。
・初診時視力、最終視力はType1、Type2で、20/23:20/41(p<0.0001)と20/21:20/32(p=0.001)でいずれも有意にType1で良く、剥離持続期間も19.68±12.98:51.55±44.98日とType1で有意に短かった(p=0.043)。
・また、diffuseなType2では、Type1に比して初診時視力、最終視力とも20/45:20/23、20/36:20/21と有意に悪かった(p<0.0001)。
・視色素の褪色状態を知ることはCSCの病状を知るうえで有用である(TY)

2017
37巻

OCT-Aによる高度近視眼のZinn-Haller動脈輪の観察

Retina 37巻 (2号) 2017

Peripapillary arterial ring of Zinn-Haller in highly myopic eyes as detected by optical coherence tomography angiography.
Ishida T et al(東京医科歯科大)
Retina 37(2): 299-304, 2017
・OCT-Aを用いて高度近視眼のZinn-Haller動脈輪(ZHAC)を可視化した。
・対象は眼軸長が26.5mm以上の146例253眼で視神経乳頭部のOCT-Aを調べた。
・ZHACが傍乳頭近視性コーヌス内に見られたのは26/253眼(10%)で、そのうち、ZHACが輪状だったのは18眼(69%)、三角状と不規則形がいずれも4眼(15%)であった。
・ZHACは視神経篩板の主たる栄養血管であり、OCT-Aでの詳細な観察は緑内障性視神経症の解明に有力な手掛かりになる(TY)

2017
37巻

MHのILM peelingの範囲

Retina 37巻 (2号) 2017

COMPARATIVE ANALYSIS OF OUTCOMES WITH VARIABLE DIAMETER INTERNAL LIMITING MEMBRANE PEELING IN SURGERY FOR IDIOPATHIC MACULAR HOLE REPAIR
Aditya M et al (India)
Retina 37(2) :265-273, 2017
50例50眼のMHを25例ずつ直径G1:3mm(2乳頭径)とG2:5mm(3乳頭径)のILM剥離で比較
年齢、性別、左右、発症からの期間、術前視力、術前眼圧やレンズの状態、OCTによるMHの各パラメータ(Staging, 最小円孔径(MD), 高さ, 円孔底径(BD), MH index (MH height/BD, tractional hole index (MH height/MD)は両群で有意差なし
平均観察期間:約150日と短い
23/25G 3port Vit ILM peeling w/ BBG 2min 20%SF6
うつ伏せ:各施設ごとで異なるが、5日間のうつ伏せ
施設によっては45分のうつ伏せと15分の休憩 夜間はうつ伏せまたは側臥位で睡眠のところもあり
閉鎖率:G1 80.0% G2 64.0% (P=0.20)
RNFL: G1>G2           GCL : G1<G2            視力回復: G1>G2
GCLがG1で薄かったのは術後観察期間が短く一時的な炎症によるものなのか、ILM剥離時のエッジのためが考えられるが、正しくはわからない
少ない症例で短期間の観察期間ではあるが、ILM剥離の範囲を大きくすることは、解剖学的にも機能的にもプラスになるわけではなさそうで、必要最小限の剥離にとどめるべきと考えられる(MM)

2017
37巻

硝子体注射時のブロムフェナクの効果

Retina 37巻 (2号) 2017

 EFFECT OF BROMFENAC ON PAIN RELATED TO INTRAVITREAL INJECTIONS: A Randomized Crossover Study
Georgakopoulos, Constantine D.; Tsapardoni, Foteini; Makri, Olga E.(Greece)
Retina . 2017 Feb; 37(2):388-395
・65例65眼、抗VEGF硝子体注射の30-45分前にブロムフェナクまたはプラセボを点眼(前向き・ランダム・二重盲検)
注射直後および6時間後の痛み・症状をvisual analog scale(VAS)とMcGill Pain Questionareのshort form(SF-MPQ)、およびPresent Pain Intensity Index(PPI)の3つで評価
・注射直後はブロムフェナク群でVASとSF-MPQが有意に低値(P=0.002, P=0.001)
・注射6時間後はブロムフェナク群でVAS・SF-MPQ・PPIのすべてが有意に低値(P<0.001, P<0.001, P=0.001)
・多変量解析では、注射直後のVASスコアは高齢者・女性・硝子体注射の経験多い群が有意に低値であった
・またブロムフェナクは硝子体注射の経験多い若年者に対してより効果があるようにみられた
【結論】ブロムフェナクの術前点眼は硝子体注射直後と6時間後の疼痛を有意に減少させた(MK)

2017
37巻

特発性黄斑円孔術後の変視症とfluid cuff内のcystsの範囲との関連

Retina 37巻 (1号) 2017

 RELATIONSHIP BETWEEN METAMORPHOPSIA AND INTRARETINAL CYSTS WITHIN THE FLUID CUFF AFTER SURGERY FOR IDIOPATHIC MACULAR HOLE
YOSHIMI SUGIURA, et al.(筑波大学)
RETINA 37(1):70-75,2017
目的:特発性黄斑円孔(MH)のために硝子体切除術を経験している患者に変視症を数量化して、そして変視症と中心窩微細構造の関係を調査する。
対象と方法:51眼(男性25眼、女性26眼、平均年齢65.1 ± 6.6歳)
変視症をM-CHARTSを使用して定量化した。術前SD-OCTにて最小円孔径、円孔低径、黄斑部厚、外境界膜、ellipsoid zone、interdigitation zone(いわゆる錐体外節先端ライン;COST ライン)の欠損長、fluid cuff内のcystsの範囲を測定した。
術後3、6ヶ月に、黄斑部厚、外境界膜の欠損長、ellipsoid zone、interdigitation zoneの欠損長を測定した。
結果:術前に比べ、術後3ヶ月、6ヶ月で平均変視スコアがそれぞれ有意に改善した。術前0.82 ± 0.53、術後0.44 ± 0.36( P < 0.0005)、術後3ヶ月と6ヶ月の間には有意差はなかった。
視力も有意に改善した。
術前、術後3ヶ月では縦方向の変視スコアが横方向より高かったが、術後6ヶ月では相違はなかった。
術後の縦方向の変視スコアがfluid cuff内のcystsの範囲と関連した。術後の横方向の変視スコアは、円孔低径、外境界膜の欠損長、fluid cuffの中のcystsの範囲と関連した。
重回帰分析で、手術後横方向の変視症スコアがfluid cuffの中のcystsの範囲と有意に関連した(P <0.05)。
術後視力は術前の最小円孔径、円孔低径、黄斑部厚、外境界膜、ellipsoid zone、interdigitation zoneの欠損長、術後の外境界膜の欠損長、ellipsoid zone、interdigitation zoneと重要な関連を示した。重回帰分析では視力はellipsoid zone の欠損長と関連していた(P < 005)。
結論:MHに対する硝子体切除術で変視が改善したが、ゼロにならない事が判明した。
術前も術後も縦方向のほうが横方向の変視スコアがより高かった。それは、以前の研究で黄斑円孔が起こるとき鼻側方向への牽引力が強い事が判明している。それで水平方向の網膜の偏位が縦方向の変視がより大きかったと推測した。
また、fluid cuffの中のcystsの範囲は術後の変視の前兆となる要因の1つである。(CH)

2016
36巻

黄斑円孔で仰向け以外の姿勢

Retina 36巻 (11号) 2016

NONSUPINE POSITIONING IN MACULAR HOLE SURGERY
A Noninferiority Randomized Clinical Trial
Alberti M. Cour M (Denmark)
Retina 36(11):2072-2079, 2016
2013.8~2014.8にIOL患者に対してPPV+ILM peeling+C3F8(15%)を行ったMH患者をランダムにうつ伏せ(FDP)と仰向け以外の体位(NSP)を比較
Single-center, noninferiority, open-label, RCT
術後4D,5W,3Mで視力、眼底、眼圧、OCT
3か月後の視力と術後4日目のガスの充満度を調査
24M以内の原発性FTMHで-8D以下の屈折のうつ伏せ可能な患者で過去にVitや視力に影響するようなDRや黄斑変性のない患者
FDP:1日10時間 x 3日間(最初の72時間のうち30時間)うつ伏せ
NSP:正面、あるいは少し下方視
すべての患者に上方視や夜間の仰向けを避けるように指導
72時間後以降は制限なし
結果:期間中の167例のうち68眼を解析対象(その後プラスミン投与のため4例除外)
閉鎖率は両群とも同じであった(両群とも1例ずつ閉鎖せず)
NSP群で4日目に閉鎖していなかったため、その後4-7日で30時間のFDを指示して閉鎖(不成功にカウント)FDP群4日目にOCTで分からず、その後閉鎖していないと判明
術後4日目でOCT撮影できたものは61眼
両群とも眼内のガス充満率は差がないが、非閉鎖の2例と閉鎖群では差があった(59% vs 77%)
結論:術後4日目に65%以上のガス充満率があれば必ずしもうつ伏せは必要ないと考えられる
手術時のガス交換不足や強膜層からのリークがないように(MM)

2016
36巻

MHの自然閉鎖メカニズムの解析

Retina 36巻 (11号) 2016

THE ANALYSIS OF SPONTANEOUS CLOSURE MECHANISMS AND REGENERATION OF RETINAL LAYERS OF A FULL-THICKNESS MACULAR HOLE
Relationship with Visual Acuity Improvement
Morawski K. et al (Poland)
Retina 36(11):2132-2139, 2016
MHの自然閉鎖は時に報告されており、Yuzawaらは6例/97眼(6.2%)でSugiyamaらは3.5%との報告
外傷性MHでは自然閉鎖の率が高いともいわれている(手術まで2-3M経過を見る)
10例10眼のFTMH患者 変視症状や視力低下と診断までの期間:duration of symptoms
診断からOCTによる閉鎖までの期間:duration of the spontaneous closure
年齢、BaselineBCVA,自然閉鎖後6MのBCVA、最初と最終BCVAの差、レンズと硝子体の状態、ERMの有無を調査
OCT:PVD,VMT,外顆粒層のbridge, vitreoschisis, ERM, hole edge(sharp-edged, oval-edged), : 1,3,6M
外顆粒層、外境界膜、視細胞の内節と外節の境界、外節とRPEの境界を特に精査
Glial cell bridgingのメカニズムに基づいて閉鎖した
4例では既に硝子体剥離があり、2例ではERMがあった
診断までの期間:平均11.8W(2-28W)、自然閉鎖までの期間:23.5W(3-48W)
診断までの期間が短いほど、自然閉鎖までの期間が短かった
自然閉鎖までの期間とは、年齢・最終視力と正の相関を認めるが、計学的な有意差はない
90%がsharp-edgedであったがbridging processのretina cell proliferationを示しているのかもしれない
硝子体の牽引や、硝子体剥離はこれまで重要な因子と考えられていたが、あまり重要ではないかもしれない
VMTのあるMHにOcriplasminを投与しても40%しか自然軽快しなかった
ONLとELMは再構築され、EZが再構築されたものが視力改善したが、IZは全例で再構築がなかった。視力の改善にはEZの再建が重要であると思われる
OCTにてbridgingが認められた場合は自然閉鎖する可能性がある(MM)

2016
36巻

CMEに関与するMüller細胞

Retina 36巻 (10号) 2016

Retinal vascular cystoid macular edema. Review and new theory.
Spaide RF(NY USA)
Retina 36(10): 1823-1842, 2016
・CMEについてのOCT angiographyは網膜深層の網膜血管を解明し、cystoid spaceの近辺には血管網があまりないことも明らかになった。
・視細胞内節まで軸索を伸ばしているMüller細胞は、網膜内の液体の流れにもっとも関与しており、Müller細胞内を移動する流れが、網膜内の余った水を血管に導いていることが分ってきた。
・Müller細胞はaquaporin 4チャンネルをその先端に濃密に持ち、カリウムsiphon作用を使って水の出し入れをしている。
・網膜深層では血管は血管網になっており、表層よりも血管圧が低く、水は表層から深層に向かって流れ、Müller細胞の働きで網膜内から硝子体へ排出されている。
・CMEの発生に関与しているMüller細胞の病態生理は新たな治療方法を教えてくれる。(図10)(TY)

2016
36巻

Experimental visualization and quantification of vitreous contamination following intravitreal injections.

Retina 36巻 (10号) 2016

Experimental visualization and quantification of vitreous contamination following intravitreal injections.
Nakashizuka H et al(日大)
Retina 36(10): 1882-1887, 2016
・豚眼で結膜上にブ菌とほぼ同じ大きさの蛍光微粒子を添付し、27G、30G、32G針で生食0.05mlを硝子体内へ注入したところ、ほぼ全例で硝子体内に蛍光微粒子が確認された。
・27G針で注入した場合が最も大量に硝子体内で見つかった。(TY)

2016
36巻

CRVOへのレーザー脈絡膜網膜血管吻合

Retina 36巻 (10号) 2016

Technique of laser chorioretinal anastomosis creation in central retinal vein occlusion and success rate with a new photocoagulator system.
McAllister IL et al(Australia)
Retina 36(10): 1971-1978, 2016
・5wattまで出力の出る光凝固装置でCRVO患者にレーザー脈絡膜網膜血管吻合(L-CRA)と抗VEGF治療を同時に行った。
・Integre Plus(Ellex)のレーザーで、532nmで5wattの出力が出せる。
・実際には、2.5-3.5Wの出力で、50μm、0.1病照射を行った。
・静脈壁を熱凝固した後、静脈壁を穿孔させた。
・出血があった場合も眼球圧迫で処置できた。
・静脈壁が穿孔できなかった場合、Nd:YAGで2-4mJで静脈壁を穿孔させた。
・未治療のCRVO患者33名中29名(88%)でL-CRAが成功した。
・使用した平均出力は2.7Wで、平均1.8か月後に完成した。
・2か所に凝固を行ない、18例は2ヶ所にL-CRAが成功、11例は1ヶ所だけにL-CRAが成功した。
・これは、全体では66ヶ所中47ヶ所(71%)で成功したことになる。
・追加のNd:YAG凝固を39%の場所で行っている。23か月の平均観察期間中に問題のある合併症は発生しなかった。(TY)

2016
36巻

硝子体黄斑牽引症候群の視力予測

Retina 36巻 (9号) 2016

Photoreceptor outer segment length and outer foveal thickness as factors associated with visual outcome after vitrectomy for vitreomacular traction syndrome.
Ichiyama Y et al(志賀大)
Retina 36(9): 1707-1712, 2016
・硝子体黄斑牽引症候群の硝子体手術後の視力予測ができるかを21例21眼で検討した。
・12か月後の最高視力BCVAは以下と有意に負の相関があった。
・術前の中心窩外層厚(r=-0.501 p=0.029)、視細胞外節長(r=-0.523 p=0.022)。年齢、眼軸長、術前視力術前中心窩厚とは相関がなかった(TY)

2016
36巻

黄斑円孔術中の黄斑部への全血塗布効果

Retina 36巻 (8号) 2016

Comparative evaluation of sequential intraoperative use of whole blood flowed by brilliant blue versus conventional brilliant blue staining of internal limiting membrane in macular hole surgery.
Ghosh B et al(India)
Retina 36(8): 1463-1468, 2016
・黄斑円孔手術時にbrilliant blue(BB)で内境界膜を染める前に自身のヘパリン化した全血を黄斑部に塗布した効果を検討した。
・60例60眼を全血を塗布したA群としなかったB群に分けて検討した。
・矯正視力はA群で有意に良かった(3,6,16W,6Mで、P<0.001, <0.001, =0.004, =0.004)。内層と外層の接合部の連続性はA群で有意に良かった(P=0.02, 0.002, 0.003, 0.03)。
・外中心窩厚OFT(内網状層からRPEまで)は3週間目(p=0.001)、6週間目(P=0.001)でA群で有意に厚かった。
・全血の塗布は視細胞再生を早め、中心窩外層厚を増加させると考えた。(図)(TY)

2016
36巻

特発性黄斑部網膜分離症の臨床像

Retina 36巻 (8号) 2016

Clinical characteristics of idiopathic foveomacular retinoschisis.
Maruko I et al(東京女子医大)
Retina 36(8): 1486-1492, 2016
・5例5眼の特発性黄斑部網膜分離症の臨床像を調べた。
・男性2名、女性3名で、年齢は71-78歳、屈折度は平均+2.40D(+0.88~+5.75D)、眼軸長は平均22.0(21.1-23.1mm)、全例網膜分離症は黄斑部から視神経乳頭まで及んでおり、全例、片眼のみであり、矯正視力は20/44。
・高齢で、片眼性、短眼軸長の遠視、完全なPVDがあり、FAでは視神経乳頭から軽度の漏出がみられた。(図)(TY)

2016
36巻

RAPのOCT診断

Retina 36巻 (8号) 2016

Diagnosis of Type 3 Neovascularization Based on Optical Coherence Tomography Images.
Kim JH, Chang YS, Kim JW, Lee TG, Kim HS. (Korea)
RETINA. 2016 ;36(8):1506-15.
【目的】
・AMD患者において、Type3 neovascularization(=RAP)のICGA診断とOCT診断の一致性を評価
【対象と方法】
・未治療の血管新生AMD患者263名263眼、OCT所見で以下の徴候のうち3つ以上満たすものをRAPと診断
 ①中心窩下の脈絡膜厚<200μm、②網膜内に液体貯留、③網膜下液なし、④明らかな頂点のない、なだらかなドーム状または台形の網膜色素上皮剥離、⑤網膜内腫瘤性病変
【結果】
・3徴候以上を満たしたのは典型AMDで8眼(9.8%)、PCVで4眼(2.7%)、RAPで30眼(88.2%)(P<0.001)
・OCTでRAPと診断され、ICGAでほかのAMDサブタイプと診断されたのはわずか5.2%【Tab.1】
【結論】
・RAPのOCT診断はICG診断と高い一致性を示した(MK)

2016
36巻

RAPのOCT診断

Retina 36巻 (8号) 2016

Diagnosis of Type 3 Neovascularization Based on Optical Coherence Tomography Images.
Kim JH, Chang YS, Kim JW, Lee TG, Kim HS. (Korea)
RETINA. 2016 ;36(8):1506-15.
【目的】
・AMD患者において、Type3 neovascularization(=RAP)のICGA診断とOCT診断の一致性を評価
【対象と方法】
・未治療の血管新生AMD患者263名263眼、OCT所見で以下の徴候のうち3つ以上満たすものをRAPと診断
 ①中心窩下の脈絡膜厚<200μm、②網膜内に液体貯留、③網膜下液なし、④明らかな頂点のない、なだらかなドーム状または台形の網膜色素上皮剥離、⑤網膜内腫瘤性病変
【結果】
・3徴候以上を満たしたのは典型AMDで8眼(9.8%)、PCVで4眼(2.7%)、RAPで30眼(88.2%)(P<0.001)
・OCTでRAPと診断され、ICGAでほかのAMDサブタイプと診断されたのはわずか5.2%【Tab.1】
【結論】
・RAPのOCT診断はICG診断と高い一致性を示した(MK)

2016
36巻

硝子体内注射後の眼内炎と抗生剤点眼薬

Retina 36巻 (7号) 2016

Endophthalmitis after intravitreal injection. Role of prophylactic topical ophthalmic antibiotics.
Li AL et al(TX USA)
Retina 36(7): 1349-1356, 2016
・硝子体内注射後の眼内炎につき、注射前後に抗生剤点眼を使用したか否かで、その頻度を調査した。
・2011/1~2011/12は使用し、2013/1~2014/12は未使用とした。
・90,339回の注射で、30例の眼内炎が発症した(0.033%で、3,011回に1回発症)。
・ブ菌が最多(10例、33%)、streptococcus mitis(2例、7%)であり、14例47%は培養が陰性であった。
・周術期の抗生剤使用(0.035% 95%CI=0.07-0.064%)と未使用(0.021% 95%CI=0.008-0.033%)では有意差はなかった(p=0.261)。(TY)

2016
36巻

中心性漿液性網脈絡膜症と網膜内微小高反射巣

Retina 36巻 (7号) 2016

Baseline spectral domain optical coherence tomographic hyperreflective foci as a predictor of visual outcome and recurrence for central serous chorioretinopathy.
Lee H et al(Korea)
Retina 36(7): 1372-1380, 2016
・62眼の中心性漿液性網脈絡膜症CSCについて、SD-OCTでみられた網膜内微小高反射巣(HF)と、最終視力や光凝固後の再発との関連について検討した。
・黄斑部と漏出点のHFの数を網膜内層、外層、網膜下、RPE下について調査した。
・最終視力は61/62例で20/22以上が得られた。
・網膜下液が吸収されるまでの期間は、黄斑部と漏出点のHFの総数と正の相関があった(それぞれ p=0.047、p=0.004)。
・最高視力が得られるまでの期間は初診時の最高のlogMARと、黄斑部のHF総数と相関していた(それぞれ p<0.001、p=0.02)。
・再発は不規則なRPEと、漏出点の網膜内HF数に相関していた(それぞれ p=0.02、p=0.01)。
・初診時のHF数は、解剖学的あるいは機能的な回復や、再発の予測因子になりうる。
・HFの本体は不明だが、HFはlipoproteinや、視細胞を貪食した活動性のmicroglia、あるいは、網膜内に遊走したRPEでろうと考えられる(図)。(TY)

2016
36巻

網膜剥離で空気灌流下でのVit

Retina 36巻 (7号) 2016

COMPARING PERIPHERAL VITRECTOMY UNDER AIR AND FLUID INFUSION FOR PRIMARY RHEGMATOGENOUS RETINAL DETACHMENT
Retina 36(7) :1281-1284, 2016
空気灌流下でVitrectomyを行うと、①表面張力の増加によって網膜のstabilityが増加する ②より周辺網膜まで観察することができる というメリットがある
Air群とFluid群各40眼を比較 患者背景に差はなし
Air群:fluid-air exchangeを行って復位させてから周辺硝子体郭清
Fluid群:周辺圧迫し硝子体郭清してからfluid-air exchangeを行って復位
設定:Constellation, air infusion 40-45mmHg, cut rate 4000-5000 cuts/min, vacuum 400-450mmHg
術後平均観察期間:Air:19.4±8.2M、Fluid群:27.8±11.2M
術後成績に差はなかった 
欠点:硝子体の切除時に眼圧変動することがある(空気灌流圧高め、吸引低めで設定)、レンズ後面の曇りや前房内のバブルで視認性が低下する(MM)

2016
36巻

眼内異物摘出時の黄斑部保護にPFCが利用できる可能性

Retina 36巻 (7号) 2016

PERFLUOROCARBON LIQUIDS’ ABILITY TO PROTECT THE MACULA FROM INTRAOCULAR DROPPING OF METALLIC FOREIGN BODIES
A Model Eye Study
CM Shah et al (NY)
Retina 36(7) :1285-1291, 2016
眼内異物摘出時に落下してしまった場合、網膜に障害が生じる
眼球モデルを使用しBSS, PFC, Airの組み合わせで保護ができるか実験
5つのモデルで、3つのポジションから5つの金属片を用いて合計1350回の実験を実施
Group 2~5ではすべて黄斑部へhit (成功0/500)
Group1のみ500回中417回異物を境界面ではじいて黄斑部へのhitが避けられた 93%成功
異物は最重量のEのみhit Position 1で30%、Position 3で43%のhit
異なる物質間の表面張力は air-water(BSS)間>water-(BSS)-PFC間>>air-PFC間であるが、airにおいては落下の加速がつき、物質間の境界を突破。BSS落下中に生じる摩擦抵抗でスピードが遅くなり境界面ではじかれる。
PFCはBSSよりも粘度が少ないため、PFCのみではBSSよりも加速してしまう
異物の素材、大きさ、形や境界面にhitする面の状態によっても異なるが、異物摘出手術の際、異物落下による黄斑部保護に有用である可能性(MM)

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